「松山千春 『ピエロ』に思うこと~松山千春 全作品解説56~V1.3」S2205

 

◇更新履歴

V1.0:2014.03.16 初稿

V1.1:2014.04.01 松山千春選曲ベストアルバムの収録有無を追加した。

V1.2:2015.09.10 レコーディングミュージシャンを追記

V1.3:2020.10.19 所有のCD画像、歌詞を掲載および追記

 

■ 「ピエロ」 編曲者: 清須邦義

1978年10月21日発売のアルバム「歩き続ける時」のLPA面4曲目(CD4曲目/全10曲

 

◇松山千春選曲ベストアルバム『松山千春の世界』 DISC-1の7曲目

 

◆レコーディングミュージシャン (楽曲個別ではなくアルバム『歩き続ける時』のクレジット)
01. ドラム:岡本あつお(岡本郭男)、正木五郎、平野肇
02. ギター(AG):清須邦義、安田裕美、松山千春
03. ギター(EG):安川ひろし、椎名和夫
04. ベース:本田達也、田中章弘、平野融
05. キーボード:倉田信雄、中西康明

06. パーカッション:中島御、木村邦治


◆所有収録CD・アルバム


◆所有収録アナログ・アルバム


◆2020.10.19 夢野旅人

前回のレビュー(下記参照)から5年半ぶり。

そのとき、ライブでオリジナルに近いアレンジの演奏を聴きたいと文章をしめてありました。

 

しかしながら、思い出しました。

2007年6月8日 東京二日目にイレギュラーで二部で歌われた「ピエロ」。

ちょうどこの時のツアー「自壊」は1993年からライブのアレンジを担当している夏目一朗が抜けた時期で、他のアレンジャーが担当したのでしょう。

多分、飛澤宏元だと思う。

 

1989年からのバンド演奏の中では、オリジナルに近いアレンジとまでは、いかないけと、テンポ、グルーヴ感はいい感じでした。

終演後、友人が、「ピエロ」あの場所で、あんな感じ(メッセージソング風)に歌われると新鮮、いいですね。

という言葉、声が今日やけに思い出しています。

 

昨夜(2020年10月19日)のラジオ「松山千春ON THE RADIO」で3週連続の「たった一曲の弾き語り」で「ピエロ」が弾き語りで歌われました。 ラジオでの弾き語りは、自分の記憶が正しければ1989年1月1日放送のSTVラジオ「風にのせて」以来だと思います。


◆2014.3.16 夢野旅人

松山千春を思春期のころから、リアルタイムで聴いていたファンからすると「ピエロ」は、誰もが通る道なのかもしれません。

70年、80年代。

「ピエロ」はファンの間で人気があった。

御多分に洩れず、まだ恋に恋していた自分も好きでした。

一度はライブで聴きたいと思うも80年に入ってライブで歌われることがなかった。

 

自分が、初めてライブで聴いたのは1987年秋。

イレギュラーの弾き語り。

そのときは、やっと聴けたと思った。

コンサートツアーにおけるフルバントでの初演は1989年秋。

 

ツアー直前。

ファンクラブで「ピエロ」が演奏曲に組み込められると発表になり話題になった。

その通り、ツアーが始まり「ピエロ」は演奏された。

だが、11本目にあたる調布グリーンホール。

自席で開演を待っていると、周囲の客の会話がきこえた。


「『ピエロ』歌うらしいぞ。楽しみだな」
しかしその日「ピエロ」は歌われなかった。

この日を境にイレギュラーとなった。

 

そのとき。

何度か聴いて満足していた自分であったが、期待している人もいるのだから歌ってくれたらいいのに。
そう思った。

 

10代半ば。

とても好きな曲だった「ピエロ」。
20代半ばにかけてだろうか。

いつのまにか、その想いは薄れていった。


~君がとても 幸せなら 僕はそれだけでいいのさ

影でこうして楽しそうな 君を見ているだけで~


~そうさ僕はピエロでいいさ いつも笑いふりまくピエロでいいさ~

 

男にはいくつになってもそんな純粋な思いはある。

だけど、それをストーレートに唄にされると気恥ずかしい。

そんな思いが強くなっていた。

一度は通る道である「ピエロ」の卒業はそのときだったのだろう。


~いつも遠くから君のこと 見ているだけの僕だけど

君が好きさ とても好きさ 君のすべてほしいけど~
「君が好きさ」。

 

 

 

「君が好きさ」と「ピエロ」。

世界観でいえば同じ、対の歌とも思える。

歌詞の字数も等しく2003年。

稚内で「君が好きさ」をリクエストされ「ピエロ」のメロディで「君が好きさ」の歌詞を歌ってしまい「それ、ピエロ」と客にツッコまれている。

 

双方とも曲がリリースされたときは恋愛の歌としての意味合いが強かった。

しかし、今ではメッセージソングの意味合いが強くなってきていると思う。

 

2010年秋。

ガンで闘病生活を送っていたツアーマネージャーの田中真紀さんが亡くなった。

秋のツアーの一曲目は「ピエロ」だった。

 

~もしも君が悲しすぎて 涙流す夜は 

僕が君を勇気づけて 唄を歌ってあげる~

~笑いなさい 笑いなさい いやなことは忘れて 

笑いなさい 笑いなさい 君には笑顔が似合う~

闘病しながらも仕事に打ち込んでいた彼女を見て千春はそう思ったのではないか。

~へたな歌で悪いけれど 君のために歌うよ 

僕の声で涙なんて 吹き飛ばされてしまう~

 

~君のために歌うよ~ 

秋のツアーの一曲目に歌ったのは、彼女へのレクイエムだった思う。

 

ツアーの途中に東海クリエイトの浜地社長がなくなる。

訃報を知った直後の公演から「ピエロ」だった一曲目が「君が好きさ」に変わった。

 

~君が好きさ とても好きさ 君のすべて欲しいけど~

このフレーズを歌うために変えたと直感した。


歌は時間とともに、意味合いが変わる。

この2曲は顕著にあらわれていると思うのです。

 

ちなみに「ピエロ」は、ツアーにおいて、レコードのオリジナルアレンジで一度も演奏されていません。

もしも、聴く機会があるのであれば、あの印象的なイントロのオリジナルアレンジで聴いてみたいものです。

 

◆歌詞

もしも 君が悲しすぎて 
涙 流す夜は 
僕が君を勇気づけて 
唄を歌ってあげる 

へたな唄で悪いけれど 
君のために歌うよ 
僕の声で涙なんて 
吹き飛ばされてしまう 

そうさ 僕はピエロでいいさ 
いつも 笑いふりまくピエロでいいさ 

笑いなさい 笑いなさい 
いやなことは忘れて 
笑いなさい 笑いなさい 
君には笑顔が似合う 

君がとても幸せなら 
僕はそれだけでいいのさ 
陰でこうして楽しそうな 
君を見ているだけで 

もしも 君が悲しい時 
僕はすぐに飛んで行き 
できる事は また同じ 
へたな唄を歌うこと 

そうさ 僕はピエロでいいさ 
いつも 笑いふりまくピエロでいいさ 

笑いなさい 笑いなさい 
いやなことは忘れて 
笑いなさい 笑いなさい 
君には笑顔が似合う 

そうさ 僕はピエロでいいさ 
いつも 笑いふりまくピエロでいいさ 

笑いなさい 笑いなさい 
いやなことは忘れて 
笑いなさい 笑いなさい 
君には笑顔が似合う 

笑いなさい 笑いなさい 
バカなピエロがいたと 
笑いなさい 笑いなさい 
僕にはピエロが似合う 
ラララ・・・・・・

 

 
 
 

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