「そういえばのぉ、ちむ。お前からもKに言ってやってくれ。あいつ、ずっと1人でいてさ。誰とも話をしないんじゃ。もっと他の社員と話しろ、って言ってやってくれんか?」
K…くん…?
懐かしすぎる名前だった。
同期の子で、研修中はよく話したなぁ。
ヤン車乗ってたなぁ。
そっかー、まだいたんだね。
頑張ってるんだ。
私の中でのKくんは、“新人時代のKくん”になっていた。
はい、と課長に言ったものの。
Kくん、私のこと覚えてんのかな?
私は検査室の小窓越しにKくんを眺めた。
Kくんは26歳になっていた。
溶接の一番端っこがKくんの席。
あの頃と一緒だった。
仕事時間中は近づけないので、10時からの10分休憩を待った。
休憩を知らせるチャイムが鳴る。
溶接のマスクをとるKくん。
わ…わ、大人になってるー!!!
そこにはますますイケメンになったKくんの姿が。
でも、Kくんは休憩に入ると喫煙所に行こうともしない。
他の溶接メンバーと話そうともしない。
近づくなオーラを全面に出して
感情のない顔でタバコに火をつけだした。
完全に一匹狼だった。
あのころのニヤニヤしていたKくんじゃなくなっていた。
もう別人だ。
課長〜!
自分で言ってよぉー!
なんで8年前に辞めた私にこんな役押し付けるのよぉー!
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