写真を撮るのは好きなのに
写真を撮られるのが嫌いだった息子。
徹底して自分を撮られないようにしていた。

小さい頃のはたくさんあるのに、その後の写真が全然ない。
数年前に私がこっそり盗み撮りした数枚と
3年前の実家での集合写真数枚だけ。

亡くなる前日、写真撮るチャンスはあった。
なのに息子が嫌がると思い、ついやめてしまった。
もし私が「撮っていい?」と聞いたら「いいよ」って言ってくれたかな。
それともいつものように嫌がったのかな。

決行するまでの約一ヶ月半、あなたは優しくて優しくて、私が求めることを全部こなしてくれようとしてたよね。
だから「写真いいよ」と言ってくれたかもしれないよね。
でもやっぱりいつものように「やめて」と言ったかな。

ああ、撮ればよかった。

今怖いのは、記憶が薄れていくこと。
23歳の息子の顔を忘れてしまうのでは?と怖くなる。

遺影の写真は、息子が20歳の頃のもの。
頬がふっくらしてちょっと太っていたね。
2022年は23歳になり、
いい感じに痩せてきてて、すっきりした顔立ちになって、堀も深くなっていた。

なのに写真はない。
記憶の中でしか息子はいない。

忘れてしまったらどうしよう、、
忘れたくない、絶対。

そこで絵を描こうと思い立つ。
忘れる前に描くぞ!

ここ数日、時間のある時に
息子の顔を思い出しては、絵を描いている。
もともと創作や絵画が好きな私なので、
描いてる間は楽しいし、悲しみも薄れてるような気がする。
でも、なかなか似ないんだなー、これが。
難しい。

描いてると息子への罪滅ぼしのような気がしてくる。
息子を死なせてしまったのは、
どう考えてもこの私のせいだから。
描くことで、少しでも償えたら、、と思う。

許してね
母さんを。