こんにちは、Chifumiです。

 

秋本番の信州上高地に夫と二人で行ってきました。

のんびりするつもりが、

夫はもうこの(老化で軟骨が減った)痛い膝では山登りは今年最後かもしれないし

私の体力もこの先持たないかもしれないし・・・

ということで上高地にある焼岳(やけだけ)登山を敢行しました。

 



日本百名山に数えられる名峰で標高2444メートルです。

夫は学生時代3000メートル級の山しか登りたくなくて、

私は今年、本格登山するには体力がなさすぎて、

でも夫がほとんど荷物を担いでくれると言うので

行く決心がつき二人で焼岳初体験登山でした。

 

山道を登りながら、このしんどさにいつも来たことを後悔しながら

それでものろのろ牛歩の歩幅で山頂を目指し登っている。

毎回毎回、山を登るのは修行のように辛くて苦しいのに、

なんで私は登るんだろう?

 

爽やかな風、きれいな空気。

息を呑む紅葉の美しさ

天候の変化で

運良く一瞬霧が晴れて視界が広がったときの

山頂からの景色の感動。

 



それから

 

自分の体と背負った荷物の重さを感じながらののぼり道。

足の下ろす場所を考え、自分の体重を全身で受け止めながらの下り道。

 

持っていけるのは背中にひとつ背負えるザックだけ。

ものや思考や、そんなものを究極までに削ぎ落とさないと

危険と隣り合わせの山は容易には入れません。


だから、遡っての準備段階で

たくさんの、あれば便利な

持っていきたい荷物を取捨選択して

どうしても必要なものだけを残す。

いる、いらない。

この手放す作業をすることは

家の整理収納や断捨離にも似て、

快感に思えるのです。

 

そうして選んだ大切な荷物と歩みを進め

自然と一体となって

これまでの人生について深く考える時間が

私は好きなのかもしれません。

 

荷物を最後まで二人分担いでくれて

やっぱり最後は膝に来た夫は

「もう一生アルプスは無理だなあ」

というくらいへばって下山しました。

 

到着したホテルでビールとワインを飲んだら

気持ちはすっかり回復したようですが。

 



来年以降もまだしばらく、

二人の人生の山登りはよろしくお願いします、と

乾杯した、全身筋肉痛の上高地の夜でした。