難病と言われる病が完治したという話や、治療らしいこと無しで病を治したという
話を目にすることがある。これらの現象は奇跡と呼ばれ、そのメカニズムについて
は解明されてはいないため、アウトサイダーの扱いで表舞台には登場しない上に、
ほとんど研究されないので、そのメカニズムや再現のさせ方については解明されて
いない。
奇跡現象がなぜ起きるかという問いには、治るようになっているからと答えようと
思う。治らないのは何かの妨げがあるからだと考えている。
中村天風先生、松下松蔵先生、野口晴哉先生らは難しい治療など一切行わずに病を
治癒させていた。
人間とは霊が肉体に宿って活動する存在という認識に立てば、肉体は霊によって動
かされていることになる。しかし私たちにそんな自覚は無い。今日は身体が軽い、
今日は身体が重くてシンドイと、自分という括りで認識している。霊が私で肉体を
動かしているという意識はない。このように我々はメカニズムを理解していないの
で、肉体をうまく操作できているかは甚だ疑問である。メカニズムに対して無知な
ために、もしかしたら身体の自然な働きを阻害するようなことをしてしまっている
のかもしれない。
正規分布夢想では選択的体験という仕組みを想定しているが、何かに注目するとい
うことによってより深くそれらを経験するということになり、結果的に体験が長引
くことになる。中村天風先生の恩師カリアッパ師は“病は忘れることによって治る”
と語られたそうだが、まさにこのことを言っているように感じてならない。という
ことは心の姿勢は特に重要のように察しられる。
もしも常識というものに正当性がなかったとしたら、常識というもののもとで構築
されてきた社会では正当性に与れないことになる。奇跡とはこのような関係性の中
で現れてきているものなのかもしれない。