映画「天才ヴァイオリニストと消えた旋律」という映画を観て来ました。


35年の時を経て、

償いのヴァイオンのコンサートをするというものです。


失われた時の間に何があったのか!?





↑ 上のポスターで、ヴァイオリンを弾いている少年が主人公です。

そこには、

なぜ、彼は忽然と姿を消したのか⁉️という謎を解く音楽ミステリー!?と書いてあります。


少年の様子から、多少の想像は付きます。

ただ、謎解きとありますから。

どんな謎があるんでしょう。




 観ての内容と感想。


この映画、公開シアターがほとんどありません。

ネタバレに特化した感想になっています。



 ユダヤ人で天才ヴァイオリニストの少年は9歳の時に、イギリスを訪れました。

父が息子の才能を伸ばす為に連れてきたのです。

息子の才能を伸ばす為の師選びを兼ねて、海を渡って、わざわざポーランドから⁉️


天才を鼻にかけた可愛げのない少年に見えます。どんな育ちなんでしょう。


この子を下宿させ、少年の成長を見守り続けたのは、

同じ年の息子を持つ実業家の一家でした。


 イギリスで彼が、

21歳になった時には、レコードを出していました。

天才ヴァイオリニストとして名を馳せ、

初めてのコンサートの夜。


彼の演奏を聞いている上流階級の聴衆の期待と注目の眼差しが、そこに凝縮されています。

ところが、時間になっても、

過ぎても会場に現れないのです。


彼は、この日から忽然と姿を消しました。

ドタキャンの公演中止は、全額払い戻しと損害賠償。

これを補填してから、まもなく実業家は亡くなります。


それから、35年。

審査員となっていた息子は、審査会場で

見ず知らずの若者からあの天才を感じます。

彼の独特な仕草と演奏方を観たんです。


現代と過去が交差しながら謎が描かれていきます。



 天才少年の歴史的背景があります。

イギリスへ来て間もなく

ポーランドへ、ナチスドイツ軍が侵攻し家族の安否への不安が募ります。


イギリス人の里親家族は、彼を励まし愛情たっぷりに育てたと思います。

成人のお祝いに贈ったヴァイオリン。

35年後、凄い価値が分かります。


異国に一人残されて

生い立ちが少し見えます。

ユダヤ教徒の家庭の子!?

かっぱらいをします。

方や、

紳士の国イギリスのお坊ちゃま!

これ、重要な鍵でした。


 この映画で私が強く感じたことは、

二つのどうすることも出来なかった悲劇です。



少年だったころの家族の安否が分かったのが、彼の晴れのコンサート直前だったということ。

それを知るきっかけと、ホロコーストを語る衝撃的な叙事詩との出逢い。


この少年を我が子か、それ以上の愛と経済的援助を与えて天才ヴァイオリニストに育て上げた実業家の悲しみ。


 そんな35年を繋げるもう一人の主人公が実業家の息子です。


 宗教的な生き方の違いも感じました。


イギリス人の実業家は、キリスト教の隣人愛を一生涯貫き通したように見受けます。


ユダヤ人の天才は、家族の死の真相を知った時、ユダヤ教に目覚め、神と生きるの道を歩いていくのです。


様々な場面で演奏されるヴァイオリンは、素晴らしい。

苦悩を凌駕して来たからでしょう。

防空壕での二人の共演や独奏、、

ラストのコンサートでは、鳥肌が立ちました。


私にとってこの映画での

ユダヤ教の神のために生き、

自分の子孫を残すことが一番だという意義も認めますが、

他人を愛することと、見守り育てることを貫く生き方にとても惹かれました。



 この映画は、

観る側によって、幾つもの感じ方があるように思います。

中では、

もの心つくまでの子供の育て方です。

この映画を観たとしても、

自己中心的な子育てはしたくないなと思います。

そういう道徳観のある方からみたら、

なんて非常識なってことが、目につく映像があるからです。

でもそれは、

戦争の無い、

平和な時代に生きているからなんだ❗️という反面教師でもありました。


良い映画の時間を過ごすことができました。



さいたま新都心MOVIXで、公開中。