舞台「盲導犬」@Bunkamuraシアターコクーン《舞台鑑賞54》

観てきました。
この作品の顔ぶれが凄いのです。

澁澤龍彦原作の「犬狼都市」より


芝居の作者、唐十郎。

演出、蜷川幸雄。


出演者
古川新太(盲人で、逃げた盲導犬を探している)


宮沢りえ(真っ赤なフレアーがいっぱいのワンピースを着て毎日コインロッカーに来ている)


小出恵介(金髪の若者、ビニール袋のシンナーの吸飲者で、この袋が第3の肺だと言っている)


小久保寿人
大林素子(婦人警官の役

大鶴佐助(唐十郎の二男)


パンフレットにはこう書かれています。

「新宿の地下の喫茶店の
テーブルの下で、ぼくは脇腹に
ジャックナイフを
突きつけた君よ
あなたは希望を語るか
と聞いた」

まだまだ、わけの分からない言葉がチラシを躍ります。

「運命の女は四つん這いで吠え
盲人のガスバーナーは青い炎を吐き出す!
灰色に輝くあかずのコインロッカーが開くとき
"不服従"の犬ファキイルが劇場を駆け抜ける」

ちらしを読んだだけでは、何を表したいのか私の頭では理解できません?!。

私には全く意味不明ですが、ゴージャスな顔ぶれの舞台を観ない手はありません。

舞台は、上のちらしの通りに舞台が進行していきます。

私の頭の中に??がいっぱいのまま、つまり不明のまま過ぎていきます。


そして、唐十郎さんの舞台を観るのは2回目ですが、

ここにも映画ならR指定になる表現が台詞と演技で展開されます。

それは、人間の根源的な欲望。

それは健常者といわれる人も、聖職者といわれる人(婦人警官)も、身体障害者の人も、若者でさえも・・・。 


衝撃的ですが淡々と、時に激情的に。


真っ赤なフレアースカートのワンピースを着て毎日コインロッカーに来ている女を演じる宮沢りえさん。

体を張って芝居をしている「宮沢りえさん」がもの凄く印象的でした。



1日経って、私の少し頭が整理されました。


この作品は唐十郎と蜷川幸雄が、初タッグを組み
70年代を挑発し熱狂させた衝撃の舞台!
いま再び、《禁断の企み》がその全貌をあらわす!

と、言うことで、観てきた感想を書きます。

ちょっと遅れて到着したので、始まってました。

舞台には5人の男と傍らには本物のシェパード。

コインロッカーの前です。

盲導犬を訓練をしているようでした。

このシェパード達は凄い役者です。
鞭の音にも決して動じず、舞台を何周も歩いているんです。
賢い犬達です。

その行進を指揮している男が何やら曰わくがありそう。

この行進に背を向けて一人の男がコインロッカーにへばり付いています。

「盲導犬を訓練中の台詞」が、この物語を終始一貫貫いているんだと思って観ていましたが。


訓練された盲導犬に自身の意思は存在しないのです。

だから、道の角に来たときは必ず止まります。

盲人が支持を出すのです。

盲導犬は「盲人の目の役割だけ。」を果たすのです。

目的地に着くためには、盲人が道を知ら無ければなりません。

そして行く先々に自信をもって指示を出すのです。


「なぜ、指示は英語なんですか?」

「日本語には、男言葉、女言葉があります。誰でもが的確な指示を出せるように英語で端的に。」


この盲導犬の訓練こそが、この芝居の「伏線であり、テーマです。」


「初演から40年。

時を経て、現代に鋭く牙を剝く、

”不服従”の魂を描ききる衝撃作!!」の所以です。



私の感想の結論。


舞台で性的な表現や、実際下着を脱いでみせる手法は、

当時も今も衝撃的です。


しかし、演劇の分かり易さや想像力を掻き立てない、

抽象的で大量の台詞は理解しずらい。

とくに2階席の私には、声量は大きいが滑舌が今一では、

その膨大な台詞の情報量を理解できない。


一見の価値はあると思います。


特に何度も書きますが「宮沢りえさんの女優魂は素晴らしい!!」

美しい汚れ役。

いや、魂も役も純粋で美しい。

歌も一曲歌われます。

哀愁と悲哀が絶妙ですから。


古川新太さん。

劇団新感線での芝居を拝見しています。

今回は盲人の役。

若者にも興味深々。

エロおやじの部分も全開。

歌も歌われます。聞かせます!!

楽しんで芝居をやっているようにお見受けします。


小出恵介さん。

10代半ばの青年。

40年前、「アンパンを吸う青年が街にいました。」

私の教え子にも。

虚無的で懐疑的。

権力に対しても、すべては今の世界から外れたい若者の代表。

しかし盲人との出会いから性への目覚めを開眼されます。

これは、よかったんだろうと思います。

生きることに目覚めたのだから。


様々な見方が観客にできるだろうと思います。


是非、みて下さい!!とは、言えません。

興味を持たれた方はこの芝居の「迷宮か?、藪の中へ!!」