芥川龍之介さんの短編「蜘蛛の糸」をアメブロで解説してくださっている先生がいらっしゃいます。
研伸館の中村先生です。
随分昔に読みましたが、改めて、文字の美しさに気付かされました。
特に、蜘蛛の糸の表現です。
芥川龍之介さんは蜘蛛の糸を表現するのに、
「銀色の糸」と言っています。
そこにはこう書かれています。
《…幸い、側を見ますと、 翡翠 ( ひすい ) のような色をした蓮の葉の上に、極楽の蜘蛛が一匹、美しい銀色の糸をかけて居ります。御釈迦様はその蜘蛛の糸をそっと御手に御取りになって、玉のような 白蓮 ( しらはす ) の間から、遥か下にある地獄の底へ、まっすぐ ...》
表題と文脈での表現が違うのですね。
ハッ!!ってしました。
ピカっと光ります。
「銀の糸」ですって。
とても新鮮な表現に心が動いていたのです。
そんな折、ダンサーで振付師の「原田みのる」さんから舞台のお知らせが来ました。
「蜘蛛の糸」です。<舞台観劇33>
内幸町ホールでの公演でした。
お釈迦様の「 「犍陀多・かんだた」への優しさが、地獄で喘ぐ彼に銀の糸を垂らすのですね。
が、
「犍陀多・かんだた」は、お釈迦様の糸の意図を知る由もありません。
目の前に降りてきた銀の糸を掴んだかんだんです。
これで、もしかしたら極楽へいけると。
地獄へ落ちたものは、血の池、針の山、釜茹でと地獄めぐりをしなければならず、苦しく辛い時をずっと過ごしていきます。
「犍陀多」 が、銀の糸を随分上まで登って、針の山も小さくなった時です。
この銀の糸に群がってまるで蟻の行列のごとく登ってくる他の罪人に、
わめき散らします。
すると銀の糸は 「犍陀多」 の真上でプツンと切れて、
真っ逆様に「血の池地獄」へ落ちて行きました。
お釈迦様は何事も無かったように蓮池を離れます。
この一連の話を朗読しながら女性がお釈迦様を舞い、
そこにかんだたの原田みのるさんが踊るのです。
銀に光る白い布ははためき美しく切ないのですが、本当に美しいのです。
原田みのるさんは、この後の6月7・8・9日に
「新国立劇場」で「Trip Triptych」というフランス印象派ダンスにご出演です。
演出・振付は平山素子さんです。


