お盆休みを使って、「利休にたずねよ」が読み終わりました。

暑さと厚さで毎日でしたから、旦那様が面白いのかと、何度となく聞いて下さいました。


ハードカバーで、418ページ。

山本兼一 著

PHP研究所



読んだ感想ですが、あらすじっぽくなっています。



利休には茶の湯のためには、

人を殺すという信念が貫かれています。


秀吉の茶の湯の凄さにも通じます。

秀吉は武人で,戦の中で見つけ出した哲学にも通じます。

が、

秀吉は最高の笑顔で人を惹きつけ、

脅かされると感じたら、容赦なく斬り捨てる恐さも

同時に持つ底知れぬ得体のしれない天下人です。


一方、利休は

あくまでも茶の湯、即ち、数寄者(すきしゃ)の中では天下一です。


天下人と天下一。

この天下人は1人いればよいと、秀吉は考えます。


秀吉の数寄者ぶりも素晴らしいのですが、

利休の道具の目利きが秀吉の反感を買うことに。


秀吉としては、道具の目利きで人望と財をなし、

彼を慕うようでは自分の天下一が怪しくなるのでね。


なんとか従わせたい。

ひと泡ふかせてやりたい。

ギャフンと言わせたいが。


それと利休の茶の湯のしつらえの素晴らしさも勿論描かれますし、人間的な魅力や人望も。


真っ向から権力者への抵抗勢力となったものへの支えにも

時になるんです。


この本の最後に利休の凄さの秘密のベールが開かされます。


利休の茶の湯は侘びを重んじ、

質素の中に命を熱くたぎらせるので、

他の追随を許さない境地を客は魅せられるのです。


「茶の湯の神髄は、山里の雪間に芽吹いた草の命の輝きにある。」

なぜその様な極致に至ったか。

切腹当日からぐんぐん話が、さかのぼっていきます。


この神髄が実は大事な伏線!!でもあった!?ということに、

最後に気づかされました。


利休は秀吉を卑下しますが、茶人として認めては一目置いています。

ただし、審美眼は利休が上だと自負していますが、

黙して語りません。


そんな利休が審美眼を磨き上げ、天下一の茶人となっていった背景には。


利休の若い時の、ある事件が大きく関わっています。


それをきっかけに権力者に対してのトラウマも出来たんですけどね。


19歳の時に。

美しく雪のように白い肌と真っ黒な瞳をもつ女性との出逢いであり、生死をかけた思いが、その後の彼を一流から超一流へと高見に向かわせる原動力になるんです。

緑釉の香合・・・。。


あの時代女性を、或いは人間をどのように捉えたかが、

この作品のテーマでもありますね。

権力者のえげつなさ。というか、差別の問題ですね。



人の命が軽んぜられた戦国時代。

意のままにならないものや、

欲しければ略奪してくるそういう怖い時代です。


そんな時代に、ある女性を愛したお陰で。

また、茶の湯の才覚が人並み以上だったお陰で、

命拾いするんです。


だからこそ、利休の茶の湯は

お客様にゆるりとくつろいで戴く為の趣向を凝らすのですね。

そこに利休の茶道の真髄もあるんです。

この女性とのことは最後に明かされます。
ぜひ是非、読んで頂きたいものです。