「リリィ、はちみつ色の秘密」のDVDを観ました。


2009年劇場公開作品です。


4歳の時、銃の引き金を誤って引いたことから母が亡くなったという罪の意識をもって、その後10年間を生きてきたリリィ。


1964年の夏、14歳の誕生日を迎えたリリィは幼い頃に自分のせいで死んだ母の愛を確かめたくて、父T・レイに聞きます。


14歳の誕生日は特別なんですね。

アメリカでは大人への記念のプレゼントをするようです。

誕生日プレゼントは物ではなくて、

「父からの母の思いで話」が欲しかったリリィ。

ところが、

この父は、娘に関心がないのです。

娘を心配もする父ですが、愛し方を知らないんですね。

妻の愛もそれで失ったんでしょうね。


リリィは黙って旅に出る決意を固めていきます。


誕生日を祝ってくれるはずの父は体罰をする男・・・。


14歳の等身大の少女リリィを

ダコタ・ファニングが魅せてくれます。


ダコッちゃんを観ているとフェルメールの絵画のようで

神秘的で、吸い込まれそうです。


「青いターバンの少女=真珠の耳飾りの少女」の

少女に見えて仕方がありません。

フェルメールの絵では最高傑作です。

この少女の表情、口元は少し開いているのです。
愛らしい表情ですが、心の底から笑ってはいないのです。
この表情がダコッちゃんと重なります。




父にも黙って旅に出るきっかけは。

制定されたばかりの公民権法の甲斐もなくリリィの家の家政婦のロザリンは白人の嫌がらせを受け怪我をした挙げ句警察に連行されます。


リリィはロザリンを助け出し、

向かった先は母に縁のある町ティブロンへ。


そこで2人はボートライト三姉妹と出会うのです。


長女のオーガストは養蜂家で、黒い聖母像のラベルのはちみつを作っていました。


次女は音楽家。

恋人はいますが、なぜか結婚に踏み切れません。


三女は双子で生まれ育ちましたが、今は一人。

大きな悲しみを背負っています。

明るさと寂しさと辛さを人より余計に感じます。


リリィの深い悲しみは、

母が自分を愛してくれていたのか!?ということです。


あの日、父と母はなんでケンカをしていたのか。

多分、物心ついた時からすでに夫婦仲は悪かったんですね。


でも、リリィは大好きだったんです、母が。


その母を自分が殺してしまったのです。

銃を母に渡そうとして。



しかし、母の亡き後10年間。

父親に「母はお前を捨てたのだ!」と、言われ続けてきたんです。


リリィの苦悩は母の愛を信じられないことと、

自分を許せないことです。



幼いときに、大人の包容力と愛に恵まれなかったリリィ。

ものを書くことで自分を保って来ました。

黒人家政婦ロザリンがみせる愛の中で生きてきました。


思春期を迎え、自分自身を探す旅に出たんですね。


生きていれば決して消えることのない深い悲しみがあることを知

り、その上で自分を許すことも学ぶリリィ。


抱擁力のある人達に出会えたこと。

子供は大人が守らなければいけないこと。


ひたすら愛されたいと願う少女リリィが、

知的で独立心に富んだ女性たちの優しさに包まれ、

たくましく成長して行くひと夏を描いたステキな物語りです。



最後に感動の涙が零れました。