さて、今日は朝から相続がらみの仕事で奈良まで行っていました。
この方は、ご兄弟が5人いらっしゃいますが、仲睦まじく?、ご長男が不動産を引き継がれたので、遺産分割協議書を、行政書士が作成することができます。
このようなケースだと遺言書が残っていなくても幸いだった・・・ということです。
しかし、私が推測するに、受け継いだ不動産は、他のご兄弟にとっては、特に魅力的ではない田舎の山林などだった・・・という背景もあるのでは?と思います。
これがもし、価値ある檜(ひのき)がたくさん植えている山林だったとか、芦屋のようなかなりの金額になる宅地であった・・・とかいう場合だと、兄弟が多いほど揉める可能性があったでしょう。
遺言書で特に、書いておいて欲しいな~と思うのは、「不動産」についてです。
遺言書が残されていなかった場合に、相続人で特に話し合い(遺産分割協議)をしなかった場合は法定相続が適用されます。
法定相続とは、簡単にいうと、
「亡くなった人の財産をどうやって分けたらいいか迷ったときには、法律の定めに従ったらいいよ~。一応、法律で決めておくからさ~」
というイメージです。
お金や有価証券なら、これもアリです。
合計1000万円の財産が残されていたら、5人兄弟は200万ずつ分けることになります。
しかし、財産は100万円しかなくて、亡くなった人名義の土地と建物が両方で5000万円相当だったとします。不動産は、この土地と建物、それぞれ、一つだけ、だとします。
その土地と建物に、長男家族が亡くなった人と同居していたとしたら。
単純に法定相続に当てはめると、5人兄弟が、現金が20万ずつと、土地と建物が5分の1ですから、理論上は一人当たり1000万ずつ、持ち分にして5分の1ずつ相続することになります
でも、これって非現実的とは思いませんか。長男にとっては、不動産5分の4については、兄弟の土地や建物を使用することになります。
そこで、遺産分割協議で話し合いをするのですが、それがうまくまとまらない場合があります。
「一番上のお兄ちゃんが住んでるんだから、もう俺らは要らんよ~」って、その時、4人のほかの兄弟が言ってくれるとは限りません。
いや、土地と建物は譲ってくれても、
「お兄ちゃんが住んでいるから仕方ないよね。でも、本当は1000万ずつ、俺たちがもらう権利があるから、お兄ちゃんの預貯金で1000万ずつ払ってよ」
と言われるかもしれません
仲の良かった子供たちが「争族」になる始まりです。
できれば、どんな山林であれ、どんな家であれ、不動産を持っている人は、遺言書を残しておいて欲しいと思います。