介護施設で学んだことと三つ子の魂 | ぽちこ~おひとり様が行く~

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「ぽちこ」・・・これは放浪生活を送っていたノラ犬の名前。ぽちこのような安心した老後を見つけたいと願いをこめて。

二日間の介護施設での実習で、学ばせて頂いたものはたくさんありました。


認知症の方の特徴は、さっき話したことをすぐに忘れて同じことを話してしまう、新しい話題は理解しにくい、さっき食べたことが分からない、など、よく言われているようなことを目の当たりにしました。
でも、ある程度、そのことを理解した上でその人が話始める内容をきちんとこちらが、分かってあげようと話をきいていると、その人がどんな苦労を経験したか、何が楽しみなのか、少しずつ引き出すことは可能です。
20人くらいに、二周して話をすると、ほとんどの人は一回目と同じ話をどこかでしてきます。
それが、その人にとって一番、心に残っていることです。
そして、会話の中で好きな食べ物やどんなことが好きなのか、ということはある程度まで聞き出すことができます。

後見人は、本人の身上看護(身体の介護ではない)をする義務がありますから、その人がしたいことを叶えてあげるためや困っていることを解決するために、どのようにコミュニケーションをとるか少しですが学びました。
また認知症の方の場合、本人から聞いた言葉を大事にしつつ、介護士さんからの情報も大切となります。
「ご飯を食べさせてくれない」と訴えられたとしても、真に受けてしまうと身体に危険です。

他方、一般フロアの方は、判断能力や意志がしっかりしているので、その人をある程度、「こんな感じの人かな」とつかむことが大切ではないかと思いました。
みな、基本的に話をしたいという人が多いのですが、性格などがとても影響します。
後見の話まで説明を尋ねられて理解される人もいれば、難しい話は聞きたくない人もいます。
しっかりされていても、初めて見た私を怪しい人だと思って「宗教の話はいらん!」と拒絶される方もいます。こういう方にも、施設でなさっている趣味の話題から引き出すなど、工夫が必要でした。

そして、どのフロアでも言えること。
たとえ認知症になったとしても、高齢で物忘れの傾向があったとしても、その人の性格や人生経験は、そのまま、どこかには、かなり残るということです。社交的とか、前向きとか、お金に細かいとか、他人を疑う性格とか、何でも興味をもつとか、関心がないとか。三つ子の魂と生きざまは、最期まで残っているのだと思いながら、その人らしく過ごせるように後見人は考えて接する必要性があるでしょう。