「ポチ」の話(その2)からずいぶんと時間がたってしまいました。
「ポチ」はそれから、町営住宅の敷地の道で寝そべっているところに学校から帰ってくる私を見つけると
しっぽを振ってついてくるようになりました。
「ポチ」は野良犬ですから、いつも町営住宅のあたりにいるわけではありません。
「ああ・・・今日はポチに会わなかったな~・・・」と思って家に帰ると、夕方に畑仕事から戻った祖父に時々、ついて帰ってくることもありました。
でも、まだ全く会わない日もありました。
そんな日は、私も祖父も、
「今日はどこに行ったのだろうなあ。まあ、野良犬でフラフラ自由奔放にして生きているから」
と話たりしました。
祖父母の話によるとポチは、私の住んでいるあたり(2つくらいの自治会の範囲)をウロウロとしていて、これまでにいろいろとあったらしい。
誰か首輪をつけずにウロウロとしているポチ(シロ?)を不憫に思い「赤い首輪」をつけてやったり、野良犬がウロウロとしているからと
保健所に誰かが電話して連れて行かれそうになったのを町営住宅や私の住んでいる地域の人たちが
「あいつだけは連れて行かないでやってほしい。」
と言って、何度か保健所逃れをしているらしい。
おまけに近くに警察署があるのすが、警察が保護したこともあるらしい。
また、交通事故にあった時に誰かが助けたとか・・・。
どうも私がそれまで、知らなっただけで、ポチは町営住宅か、若干、違うエリアで野良犬をやっていたようです。
そして、あまりにも大人しく、「お手」と「お座り」ができ、みんなが撫ぜまくるので毛並が美しい。
また、つぶらな瞳がポチの「人柄」ならぬ「犬柄」を表していて、みなに愛されているようです。
そんなポチがやがて、毎日のように我が家に顔を出すようになってきました。
どうやら畑で知っていた「おじいさん」の家と学校帰りの私の家が同じことも気づいたのでしょう。
ポチはそのころ、祖父母の話をたどっていくと少なくとも8年くらいは生きている「おじいさん犬」でした。
でもまだ、私が高校生くらいまでは餌というかおやつというか・・・パンやソーセージをもらってしばらく庭にいるとそのうちまた、
どこかに出かけていくという生活を送っていました。
やがて、叔母は犬用のジャーキーを試しに買ってきて、これがポチは喜ぶので、我が家には常に買い置きされることになりました。
そして、冬になると叔母は庭先でポチが寝そべるのが寒そうだから何か敷いてやろうと、ポチが大体、寝そべる場所に毛布を敷いてみました。
すると、ポチは気持ちよさそうにそこに寝そべるようになりました。
適当に、昼寝をして、適当におでかけして・・・そして夜になるとまたその毛布の場所に戻る日もでてきました。
次回につづきます。