さて、随分、期間が空きましたが、犬のぽちこの話の続きです。
前回はこちら。
いつものように町営住宅の横を学校帰りに通ると、「シロ」が一人で寝そべりながら、私の方を向いていました。
その日は珍しく、町営住宅の誰もが外に出ていませんでした。
私は、それまで「犬」を飼ったことがなく、吠えられたり、噛み付かれる恐れもあるのじゃないか?と、犬があまり得意ではありませんでした。
犬の散歩をしている人がいたら、道の反対側に避けるタイプだったということです。
ただ、なんとなく「シロ」と目が合ってしまい、試しに舌を鳴らしながら呼んでみました。
すると「シロ」は起き上がり、私の方に来ました。
ただ、しっぽだけ振っている
そして、呼んではみたものの、どう接していいか分からず、とりあえず、町営住宅から家へと向かう私に少し距離を置いてついてきます。
町営住宅から私の家までは5分ほどかかる距離ですが、ついに家の前まで来てしまった。
よその家の犬を連れてきてしまい、叔母や祖父母に何を言われるか分かりません・・・。
厄介だな~と思っていると、叔母が
「あら、町営住宅にいる野良犬、ついてきたん(の)?」
祖母が
「あら、野良ちゃん、来たん?」
祖父が
「おお、こいつオレの畑仕事のところにも時々、顔を出すんや。もう野良犬生活、長いなあ」
どうやら、「シロ」は野良犬で有名らしい
叔母が「住宅の人が勝手に「シロ」って呼んでるだけやで」
祖父が「この赤い首輪も誰かがお古をつけてやったらしい」というではありませんか
じゃあ、始めから「シロ」って名前じゃなかったのか・・・
「私はお前のことをポチと呼ぼう
ポチ
やっぱり日本を代表する名前やな。 」
ポチはしっぽを振っていました
「せっかく付いて来たんやったら、これでもあげて。」と、叔母は当時、常時、冷蔵庫に入っていた伊藤ハムのソーセージを取り出し、私にやるように言いました。
自然にお座りを始めたポチに、恐る恐るソーセージを手で適当にちぎって、少し投げるようにしてやりました。
ポチは美味しそうに食べると、次のを投げてもらうのをじっと待っています。
食事が終わったあともしばらくは玄関先にいるようでした。
そのうち、姿が見えなくなり、ポチはどこかへと消えていきました。
これがポチと私が接した、最初の日のことでした