ワークショップ「パーム油のはなし」をやって、自分の生活も変わったはなし | 開発教育 あしたのきのう

ワークショップ「パーム油のはなし」をやって、自分の生活も変わったはなし

8月25日、宮城県の登米(とめ)というところでワークショップをやりました。宮城に住んではや3年。でも初めて行く場所でした。

 

 

DEAR(開発教育協会)の講師として、DEARが発行している「パーム油のはなし」(教材情報はコチラ)という教材を使ったワークショップです。講師は私だけなのですが、7か月の娘を見てもらうためにひとり、見学でひとり、そして娘…と、女子4人でうきうき行ってきました~。

 

今回のワークショップは、宮城県からの依頼で、対象は消費生活サポーターに登録されているボランティアの方々。消費者が被害に遭う、つまりは不当に高い商品を買わされたり、だまされてお金だけ払ったりなどを防止するために啓発しようじゃーないか、という意欲を持っている方々です。

 

消費者教育の一環として開発教育を伝えるワークショップをしてほしい。という依頼。共通点ってなんだろうと考え、「疑うこと」とお話ししました。

 

ワークショップは初めて参加するという方ばかりだったので、
積極的に参加する、よく聞く、否定しない、楽しむ
という4つの参加のルールを掲示。

 

みなさま人生の先輩ばかりなので、はじめ私は結構緊張しました。

 

アイスブレーキングは得意の部屋の四隅。

 

部屋の4つの隅を使って、4つの答えを用意したお題を出し、参加者に足を使って移動してもらうもの。簡単で、そのあとのワークショップにつながるお題にするのがポイントです。ワークショップの最初から立ち上がって移動させられるので、「あ、今日はこうやって足と頭を動かす必要があるんだな」と思ってもらえるし、移動先で2-3人組になってもらってその場所にした理由を話してもらうので話しやすい雰囲気も作れます。

 

お題は「エコな生活をしているかどうか」「健康な生活をしているかどうか」


エコな生活:2キロ以内なら歩く、なるべく家で作ったものを食べてごみを減らす、エアコンは使わない…
健康な生活:ランニングをしている、健康診断で引っかかったからこれからやりたい…などなど。

 

エコと健康はわりと両立できるんだなーということが分かりました。
パーム油のワークショップは、環境にやさしいってどういうことか、エコって身の回りのことだけじゃなくて生産者のことやその土地のことも考えてもらうものなのでこのお題にしてみました。

 

いよいよワークショップの始まり。


身の回りにある商品のパッケージを配り、共通点を探してもらいます。

「これはなんだー」「食べられる?違うかー」という声に混じり、
「そっか、今日は否定されないんだな」と話す年配男性の声が聞こえてきました。いつも割と否定されることが多いのでしょうか。。。お疲れ様です。

 

 

 

共通点はいろいろありますが、今日のテーマは植物性油脂・パーム油。
全世界の生産量は5367万トン(2012年)のうち、85%がマレーシア・インドネシアで生産されていること、「使いやすく、環境にやさしい」と言われるパーム油だが本当にそうなの?というのを、写真を使って説明します。

 

パーム油を生産するために、現地ではどんなことが行なわれているのか。みなさんじっくり真剣に参加されていました。でも、この時点までは「一消費者」という感じで、パーム油、生産地と少し距離がありました。

 

教材の内容について、詳しくはウェブサイトをご覧ください♪

 

やっぱり、長く愛されている教材は使いやすい!

 

んで、そのあとはロールプレイを行ないました。

 

パーム油生産のために新たな畑を作るという開発会議に集まった、政府の役人、洗剤会社、土地の村長二人、NGOという6人の役になりきり、話し合うというもの。いやー、盛り上がっておりました。映像で見せたいくらいです。配った役割カードのままだと開発賛成4人、反対2人という状態ですが、2つのグループとも開発反対派の村長が折れ、3対3の引き分け、、、という形で終わっていましたね。優しい村長さんだったのか反対派の主張がすごかったのか。。。

 

 

ロールプレイのあと、役から離れ自分自身に戻ってもらい、2-3人で感想を共有。


ワークショップの最後に「やりたいこと」をテーマにダイヤモンドランキングを行ないました。
※ダイヤモンドランキング:9つの選択肢を用意し、最上位1つ、次2つ、中間3つ、次2つ、最下位1つと上からダイヤモンドのように並べるもの。単純に1-9位まで並べるよりも決めやすい。

何と両グループとも「実際に現地に行って状況を確認する」が1位に。テーマを「やりたいこと」にしたので、カネと時間があれば。。。ということのようでした。

 

感想は最後に載せています。

 

今まで何度もこのワークショップをやってきましたが、私の中で今回結構大きな変化がありました。


それは、自分自身の生活への影響です。

 

最近、ある協同組合に入って宅配サービスを利用しているんですが、界面活性剤を使っていない洗濯石鹸を購入しました。今までは、CMに出ているバリバリのいまどき洗剤を使っていたのですが。。。洗濯石鹸って、少し高いんだけど。その会社のHPも読んで、納得できたから。

 

この教材ができたばかり頃、そして私が開発教育と出会ったころと比べ、RSPO「持続可能なパーム油のための円卓会議」というのが出来たり、日本のいくつかの企業が持続可能なパーム油を使うようになったり、若者に人気のコスメ○USHで取り上げられたりと、パーム油を取り巻く環境が少し変わってきたのは、この教材が広まったからかなと思います。

 

「動けば少し、世界は変わるんだな」


と自分自身が思えたことで、行動できたんだなと思います。

 

<感想>
満足度
90:時間が足りないような気がした
75:
90:発言する機会が多かった
80:パーム油をとりまく環境について知ることができた
90:さまざまな手法でパーム油や環境のことを考えられた
90:自分の意見をもう少し話せれば良かったと思いました
80:正しい答えがないこと
90:もう少し時間があったら別のことも学んでみたいと思ったから。楽しかったので
90:グループ全員が話をする機会を持つことで、様々な意見を聞くことができた


・それぞれの意見を聞き出しまた話せたことがよかった
・ひとつの製品から、環境について考えいろんな意見が聞ける貴重な時間だった
・ヤシ油のことを詳しく知ることができ、開発と環境保護の関係に今後も関心を持っていきます
・様々な問題に関心をもち、日常生活から意識的にサポーターとしていきたい
・ワークショップは初めてだったが興味深く2時間があっという間だった
・パーム油のことはまったくわからず、今日はたくさんの気づきと発見があったと思います。2時間があっという間に感じるほど楽しく受けさせてもらいました。ありがとうございました
・まわりの人の意見を聞きながら違う意見を自分のなかに受け入れるのがおもしろかったです
・始まりから段々と理由が分かってきて、考えて参加することができました。とても楽しんで参加できました。
・ワークショップを行なうことで楽しく、講談、グループワークを行なうことができました