春爛漫。また桜の季節がやってきた。



ひらひらと舞い散る花の終わりを己の人生に重ねて焦る熟女達が今回も集結。

我々の花びらはあと何枚残っているのやら





「もう色気より食い気だ!」と開き直ってやって来たのは桜の名所、目黒川に近いスリランカ料理店。



スリランカといえば紅茶。紅茶と言えばスリランカだが、紅茶がアホのように使われている料理にお目にかかることはなく、実際にはインドと同じにみえる。 


だってこの近さだもの。


ほとんどインドじゃん




スリランカもインドもメインはカレー。

私には両者の料理が全く一緒に思えるのだが、これは一卵性双生児のようなものかもしれない。

つまり私のような凡人には双子が同じにしか見えないが、親からするとちゃんと違いがあり、一瞬でそれを見抜く。

そしてその双子の親が、現地のスリランカ人とインド人、GACKT様なのだ。




微妙な違いを見分けるGACKT 


次回の格付けチェックではこれくらいの名言を吐いてもらいたい。達也と和也でもいいが。



とりあえず今回食したスリランカランチセットはコレ!




本日のランチプレート

⚫︎イワシとキャベツとビーツの葉の炒め

⚫︎ダル豆のカレー

⚫︎かぼちゃカレー

⚫︎チキンカレー

⚫︎三つ葉とココナツのサンボーラ

⚫︎とうもろこしの揚げせんべい

⚫︎ジャスミンライス



これだけ盛りだくさんのワンプレートにデザートまで付いて1000円はお財布に優しい。

「ランチが安く済んだからエステにでも行こう」と本末転倒に金を使ってしまいそうだ。

ところで皆さま、お味の方は?



イワシとキャベツとビーツの葉

「ビーツの葉って初めて食べた。ちょっとほろ苦いのはイワシ?」

「ちょっと不思議な組み合わせ。けど大して美味くない」


ダル豆、かぼちゃ、チキンカレー

「ダル豆カレーは優しいお味。かぼちゃは甘くて離乳食に良い」

「チキンは美味しい!カレーと言えども全く辛くないのは日本人向けにアレンジされているのだろう」


三つ葉とココナツのサンボーラ

「サンボーラってトイレの洗剤…?

「それはサンポール!スリランカで和物の事をいうらしい」

「原始人が食べてたような味」


とうもろこしの揚げせんべい

「コーンチップスね。揚げただけか」



こんな調子で一品一品を検証していたが、店の人によるとこれらは単体ではなく基本的にカレーと混ぜて食べるものらしい。

なので全てぐちゃぐちゃに混ぜて食べるのがおすすめとのこと。




そこで実際に混ぜてみると…



残飯?



奴隷の食事?いや…こんなブツ、クンタキンテも食わずに逃げそうだ。



美味しく食べようと思って混ぜたら、逆に食欲を全く失ってしまうという大どんでん返し…

まさに覆水盆に返らず。覆カレー盆に返らず、である。




しかしこれ、見た目はヤバいが目をつぶればそれなりに旨い激安ソープみたいな代物。

私は「金払ったんだからもったいない!」と瞼を閉じ、全て美味しく頂いた。

ところがマダム達は違う。


「なんだかお腹いっぱいになちゃったわ」

「食欲なくなっちゃったし…もういらない」

「デザートもいいわ。ご馳走さま!」


と言って箸を進めないのだった。

さすが飽食時代の生き字引。貧乏根性とはかけ離れたバブルのお姫様達である。


デザートのココナツババロア。皆が残した分を私が全部平らげた。ラッキー!




というわけで、早々に店を出た我々。
私以外は皆さん満足に食べてないみたいだけど大丈夫?

「大丈夫よ、これから2次会だから!」


それから某所に行き、桜を見ながら美味しい和菓子、ケーキにクッキー、おかきに寿司まで食べた。大満足、皆さんありがとう!




しかしお口直しに寿司を食うのを見ていると、ワールドグルメ会としてワケわからん国の料理を食すのが辛くなってきているのだなあ…と感じるがそこは見ぬフリ。

これからも修行と思って私に付き合ってくれたまえ。

来月も続く。









さて2回目のワールドグルメ会。

第1回のウズベキスタン料理が口に合わな過ぎて「次は美味い物を食わさないと脱会する!」と会員共に脅された事から、今回は無難に美味しいブラジルのシュラスコに決定。

【勇気を持って珍しい国の料理を食らふ】と言う会のポリシーが早くも午後のファンデーションのように崩れ気味である。




ところでブラジルと言えば…

サッカーと

サンバ

で有名であるが、そこは凶悪都市サンパウロやリオに行ったことのある私。
ブラジルのいつ悪党に襲われるかわからないひりひりした緊張感にもこだわりたい。


どうせなら群馬大泉町のブラジル人街で、祖国のユニフォームを着たフーリガン予備軍に囲まれながらシュラスコを食べようと提案したのだが…

「え、群馬のブラジル人街!?何で?」
「フーリガンには会いたくない…怖い!」
「敢えて命を縮めるような行為をなぜしなくてはならないのだ?行きたいなら一人で行け」


と一蹴され、新宿のおしゃれレストランになってしまった。
そんなわけで今回のブラジル料理は貴婦人達が集うセレブ版である。





シュラスコとは…
鉄の串に肉のかたまりを刺し炭火でじっくり焼いたものをスタッフがテーブルに持っていき、客の目の前で豪快に削ぎ切りするブラジル料理。
レストランは大概ビュッフェスタイルでサラダやスープ、デザートが食べられる。


「わー、美味しそうなビュッフェ!いただきまーす!」
「ちょっと待ったー!」
飛びかかろうとした私達に、主婦Hが「ねるとん紅鯨団の告白タイム」のように待った!をかけた。

「いい?このビュッフェは罠。欲張ってしまうと後の肉が全然食べられなくなってしまう…葉っぱは少しにして高い肉をたくさん食べるのよ!」

なるほど、さすが計算高いベテラン主婦!
てかこの人は何回かこの店に来た事があるらしく、自身失敗しているのだろう(元々1番にビュッフェを山盛りにするタイプだし)。
その経験を生かし、鍋奉行ならぬシュラスコ奉行になったようだ。


奉行様のアドバイスに従い、サラダをちんまりと食べているといよいよ肉を持ったスタッフがやって来た。


「チキンとソーセージデス。いかがデスカー?」


いきなりチキンとソーセージ。
これは高級牛肉の前にお腹を一杯にさせる店の作戦…?

「そうよ、特にこのソーセージは一つだけでもお腹一杯になっちゃうの。今これを食べちゃダメ!敵の罠なんだから」

シュラスコ奉行様の言葉に頷き、ソーセージを「いらぬ!」とお腹空いてるのにパスする我々。
まさに武士は食わねど高楊枝…皆の頭にちょんまげが見える。
しかし店の巧妙な手口を知り尽くす彼女は我々にとってありがたいが、店からしたら今すぐ叩き出したい存在であろう。叩き出されなきゃ良いが。



「ピッカーニャ、いかがデスカ?」


「これは美味しいの。頂きましょう!」

奉行様からやっとお許しが出たピッカーニャ(イチボ)とは牛の腰から尻にかけての肉。ハート型でスライスしてもらうと源氏パイのよう。

「あ、ほんと美味しい!」
「柔らかいし、そのままでおいしいねー!」
「あらそうね、今日の肉はこのままで良いかも…前に塩胡椒だけで物足りなかったから私ステーキソース持ってきたのよー。使う?」

奉行様は屈託なくおっしゃいますが「家からステーキソース持ってくる」って店の味、全否定じゃないですか…。
この人、もう完全に店のブラックリストに載ってる気がする。いや、デスノートかも知れない。



そして真打ち登場。
「サーロイン!いかがデスカー?」


楽しみにしていた牛のフィレ肉!しかし食べてみると…

「あれ…なんか肉固くない?」
「固い!噛むの大変。野生の牛か!?」

サーロインなのにどうした事だろう…
固いのはED男性にとって理想だろうが、フィレ肉にとってよろしくない。
イチボの方が数段美味いとは…肉も男も実際に食ってみなきゃわからないものである。



続いてやってきたのは、焼きパイナップルや焼きチーズ。


パイナップルは思ったほど甘くなく、チーズは思ったほど濃くなく…
二つともさっぱり味。肉と肉の間のお口直し的存在かも。


それからグルグル回ってくる肉を張り切って食べていたが、とうとうお腹にも限界が…
臨月のようにはち切れそうなお腹を抱えると自然に息がヒーヒーハーになってしまうのは、子供を産んだ主婦だから?

しかしまた子供を産み落としそうなくらい苦しくてもデザートは別腹。
ブュッフェでブラジル独自のデザートを試す。


ベイジンニョ、ブリガディロ…ココナツミルクを煮詰めたお菓子。甘すぎて頭が痛くなる。

バンキッタ…お祭りで食べる伝統菓子。ぼろぼろこぼれるブラジル版落雁。きなこ食べてるみたい。

マラクジャムース…マラクジャとはパッションフルーツの事らしい。これは美味い、超好き!


ブラジルプリン…普通のプリン。どこがブラジルだったのか?


ビュッフェだから品数多すぎて、全部レポートできないが、めぼしいのはこんな感じ…そうそう、中にはこんなブラジル料理も。


チキンコッシーニャ…鶏ささみをマッシュポテトで包み揚げたブラジルコロッケ。日本のコロッケのようなザクザク感は無し。

フェイジョン…日本の味噌汁に喩えられる国民的豆スープ。優しい味で子供や病人に良さそう。




たらふく肉を食べ、皆大満足。
そういえばビュッフェにブラジルでよく食べたフィジョアーダは無かったなあ…などと言っていると、質問が。

「ところでブラジルで見た現地のシュラスコってどういうものだったの?」

サンパウロに行った時の様子を聞かれた私。

「もちろんこういうシュラスコの店はあるよ。けれどレストランはちゃんとお金持ってる人しか入れない。だからお金ない人達は路上でシュラスコをやるの」
「路上で?」
「車の中から見ててね、皆何を焼いて食べてるの?って運転手に聞いたの。そしたら…」
「そしたら…?」
「猫だって」
「猫ーーー!?」


皆やっと私がこの店を「セレブ版シュラスコ」と呼ぶ理由がわかったようだ。

ブラジルの光と闇。本物のブラジル料理を知るにはまだ遠い…。

コロナで国外に出られない昨今、わけわからない国の料理を食べ、海外気分だけでも味わおうとわけわからない熟女で結成されたワールドグルメ会。
第1回はウズベキスタン料理

ところでウズベキスタンって…どこ?


「南米じゃないの?」
「北極近くでは?」
「えーっと…旧ソ連だって。カザフスタンやアフガニスタンの近くみたい」


「シルクロードかあ!しかしなんでこの辺はどこもかしこも何とかスタンなの?この「スタン」って何!?」
「えー、Googleに寄ると…スタンはペルシア語で「場所」って意味らしい」



なぬ?すると「スタン•ハンセン」は…


だったのか、なるほど。




それはさておき、やってきたのは東京駅にほど近いウズベキスタン料理屋。

国の料理が一通り味わえるウズベキコースで最初に運ばれてきたのは…スープ!


羊肉のショルバ。


「うーん…味が薄い!良く言えば天然出汁だけの自然派」
「病院食だわ」
「塩くれ!」

初っ端から散々な言われよう。この調子で最後まで持つのだろうか?


手作りパン



2種類のサラダ


「人参サラダはまあまあ。このワケわからないハーブは…クミン?」
「一度使ってそのままキッチンの片隅に眠ってるやつね。気がついた時にはいつも賞味期限切れ…」

「あるある〜!」とおばちゃんの大爆笑が響き渡り店内がドリフの番組になってきたところ、続いて出てきたのはウズベキスタンの代表料理「サマルカンプロフ」。



「うわ、ごはんの上に皮付き丸ごとニンニクが乗ってる!ケーキの上の苺かよ!」
「ワイルドな誕生日ケーキとしてスギちゃんのネタにありそうだ」


「誕生会でケーキとしてこれ出したら日本の子供は大泣きだわ」
「美味しいんだけどね」
そう、このピラフは割と美味い。何が不満だ、ご馳走だぞ!



さて続いて出てきたのは…肉!

シャシリクの盛合わせ



これまたワイルドなやつ来たー!


アラブ辺りでポピュラーな羊肉のミンチ、鶏肉、牛肉の串焼き。

「あれ?これは塩加減も良くて美味しい!」
「本当だ!美味しい!」
「これが作れるのに何で最初のスープの味付けがあーなるかね…」

なんか美味しい皿と不味い皿のギャップありすぎ。 
シェフはその時の気分で味付けをする、かなりの気まぐれ者と見た!




そして最後はデザートとお茶


食パンの切れ端に蜂蜜をかけたようなケーキが登場。これはいったい…

「うわ、何これ!?食べてみて」
「どれどれ…うぅ、おえ〜!」
我々をザワつかせたこの代物…それは蜂蜜!
最初甘いのに変なえぐ味が出て最後は吐きそうになる…毒?これって人殺せる蜂蜜?

「腐ってんじゃないの?」
「レストランでさすがに腐ってる物出さないでしょ…」
「これを美味いと思ってるならウズベキスタン人の味覚は狂ってる」
「ウズベキスタンに咲いてる花がおかしいのかね?」

花まで変と言われてウズベキスタン人が聞いたら怒りそうだが、本当に激マズだから仕方ない。
世の中には罰ゲームのような蜂蜜が存在するのだなあ…我々は毒とか言ってるが、これを美味いと思う民族もいるのだ。うーん、世界は広い。




と言うわけで…初めてのウズベキスタン料理は美味いと不味いの差が大きすぎてジェットコースターに乗ってるようであった。
一皿ごとに下から上へ、上から下へ落とされてまた上がるみたいな…

それはシェフが気まぐれだから?
それともこれこそ本場のシルクロード?



砂漠の寒暖差のように、ラクダの背で揺られるように、ウズベキスタンの味覚は振り幅が大きかった。
そしてシルクロードのケーキをひと舐めで残した我々はやはり異邦人。
現地の味がわからない、ちょっと振り向いてみただけの異邦人(by久保田早紀)なのであった…