東武鉄道の特急スペーシア、東武100系は東日本の私鉄特急としては最も豪華な特急と言っても過言では無いと思います。
登場したのは1990年、バブル経済真っ只中でした。
先代1720系は豪華な車内にサロンやビュッフェがあり、自動ドア(マジックドア)を初めて採用し、人気を博しました。
東武100系では1両全てを個室車にするなど贅沢な空間は健在です。
国鉄やJRとの競争のため、豪華な車両が生まれたのですが、時は流れ2006年3月からはJRへの直通運転を開始し、新宿駅にこのスペーシアが現れるようになったというのは衝撃的な出来事の1つでした。
2005年からはリニューアルが施され、座席や壁紙の張り替えや塗装変更などを行い、2006年9月に全車リニューアルを完了しています。
今のところ、廃車は発生していませんが、2017年4月に東武鉄道から発表された経営計画では「フラッグシップ特急車両の導入」という記述があることから今後の動向が気になる車両でもあります。
流線型の先頭車は東海道・山陽新幹線で活躍していた新幹線300系に似ています。
リニュール前はオレンジを基調としたカラーリングでしたが、リニューアル後は4種類のカラーリングが存在しています。
その中でも金色の日光詣スペーシアはインパクト絶大です。
次は車内です。
座席は2+2配置、シートピッチは1,100mmとなっています。
大型フットレスト、ハイバックシート、絨毯張りとJR特急グリーン車のようですが、これが普通席です。
登場当時はシートがグレーで暗めの配色でしたが、ブルーの明るい色になりました。
ヘッドレストの張り出しが大きく、頭をきちんと支えてくれます。
これはスピーカーが内蔵され、ヘッドフォンなしにオーディオが聞けるサービスを行っていた名残です。
サービス終了後も張り出しをカットせず、きちんと残しているのは評価が高いです。
テーブルは肘掛収納タイプと、壁面に折り畳みタイプがあります。
ただ、一つだけ弱点をいえば、窓側座席で肘掛けからテーブルを出す際、座席が窓枠に寄っているので、指を挟んでしまいそうで、結構出しにくいです。
リニューアルは最低限に留められて、座席交換や改悪が行われていないので、好印象です。
次は個室車です。
6号車は個室6室だけの車両になっています。
大きなソファーは体が沈み込むくらいふかふかで座り心地も良く、絨毯もかなり毛の長い素材が使用されています。
こちらもリニューアルではシートの張り替え程度で、グレーから茶系の配色になっています。
座席下にコンセントは増設されています。
個室内の照明や空調は通路側にある操作パネルも健在で、テーブルも引き続き天然の大理石を使ったものが使われています。
JR直通運転ではグリーン個室とやや高めになってしまいますが、東武線内で運行するときは普通個室として販売されるので、複数人の時は利用してみることをおすすめします。
売店も引き続き健在です。
こちらは「ソラカラちゃん」のポスターが増えたくらいで大きな違いはありません。
この売店は電子レンジがあり、冷凍食品を温めただけのものですが、温かい食事を食べることができます。
ひとまずはしばらくこの豪華な車内を堪能できるので、安心しています。