E657系は常磐線特急用651系・E653系の置き換えを目的に登場し、2012年3月より営業運転を開始しました。
置き換えが完了した後、2015年に名称を速達タイプの『スーパーひたち』は『ひたち』、停車タイプの『フレッシュひたち』を『ときわ』と改称しています。
その後、上野東京ラインの開業により、品川始発の列車が登場し、常磐線の特急が東京駅へ乗り入れるようになりました。
2020年3月、常磐線全線復旧に合わせていわき止まりとなっていた『ひたち』の一部が仙台まで運転されるようになり、当初量産された17編成に加えて2編成が再増備されました。
運転区間は品川・上野~いわき・仙台間、10両固定編成、最高速度は130km/hです。
首都圏ではもはや当たり前のように見かけるお馴染みの特急列車です。
高運転台になっており、ライトは猫のような印象で、赤いラインは偕楽園の梅をイメージしています。
風格は651系、運転台周りの配置はE653系で、足して2で割ったように見えます。
増結を想定していないため、非貫通式の先頭車となっています。
取手~藤代間にはデッドセクションがあり、JR化後の車両としては珍しい交直両用車両となっています。
性能上は日本全国の電化区間を走行可能であり、現代版485系となっています。
次は車内、普通車から。
座席は2+2、シートピッチは960mmとなっています。
E653系の910mmより広く、651系の970mmよりは狭くなっていますが、座席下に機器がある651系は足を伸ばせないので、実質的にはこちらの方が広いです。
白い壁面(と木目調)に黒い座席と白いヘッドカバーというモノトーンカラーになっていますが、直接照明の効果もあり、全体的には明るい印象です。
空気の吹き出し口は観光バスのような感じで少し安っぽく見えます。
撮影当時はありませんでしたが、全車指定席となったため空席を確認できるランプが増設されています。
ヘッドピロー、ドリンクホルダー、大型背面テーブル、肘掛けにはコンセントがあり、全席に電源を完備しています。
また、UQ Wi-Fi・BBモバイルポイントの無線LANサービスが行われていますが、新幹線などで行われているJR-EAST FREE Wi-Fiとは違い、会員登録が必要なサービスのため、ちょっと使いにくいです。
成田エクスプレスE259系も高い完成度でしたがA特急料金なので、首都圏の特急としてE657系はコスパが高い空間だと思います。
次はグリーン車。
座席配列は2+2、シートピッチは1,160mmとなっています。
第一印象は
「あれ、これグリーン車だっけ?普通車と色違い?」
と思いました。
普通車と異なる部分としてはフットレストバーがあり、肘掛けには合皮も張ってある…くらいでしょうか。
そもそもフットレストバーにダウングレードしてると思うのですが…。
なんとなく重厚感があるような色調はしていますが、普通車のコスパの高さに比べれば、こちらはコスパが低いように感じます。
JR東日本はグリーン料金が安く設定されていますが、わざわざ選ばなくても良いと思います。
651系のグリーン車は重厚感があり、1+2配置だったのを考えれば、見劣りしてしまうのは仕方がないことです。
常磐線全線復旧に伴って1都4県、最高で4時間半のロングランを行う特急となりました。