みだれ髪 | 感想文

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与謝野晶子の歌集。
強烈な衝撃。
これを明治時代の女性が書いたのか、と言う衝撃。
車のCMに使われて有名になった歌も、
最初に読んだときには物凄い衝撃を感じた。
女性の地位が低く、
自分の意見など持てなかった時代に
ここまで強烈に恋愛を謳歌する歌を発表したその勇気も凄まじい。
しかもただの恋愛ではない。
妻子ある男性との恋愛、
未婚でありながらその男性との肉体関係を歌い上げた一首。
男性との情事を通じて、
女性の官能の喜びに目覚めた自分を強烈に歌い上げた一首。
発表後、淫情浅想と評論家に攻撃されながら、
明治時代の若者には熱狂的に受け入れられたという「みだれ髪」。

情熱の歌人の最初の歌集として、
これほど納得のいくものがあるだろうか。

色彩の歌人とも言われる彼女を実感することも出来た。
最初の章が臙脂紫と名付けられている。
紫という語は彼女らの所属した明星においては恋を表す語だと言うことだが、
みだれ髪を読んでいると、
彼女の恋が本当に臙脂がかった紫で印象される。
色が見えると言うか、
本当に彼女の恋は臙脂紫だと感じるのだ。
この強烈な感覚を表現する文章力が自分に無いことがむなしい。

全てに通じて、彼女が自分の才能に対して何の疑いもなく自信を持っているところ、それもあふれでている。
彼女の詠む通り「おごりの春のうつくしきかな」。

実際には結婚にまで至った鉄幹との夫婦生活も順風満帆とはいかず、
晶子はかなり苦労したようではあるが。

ありきたりな言葉でしかないが、
与謝野晶子は類いまれなる芸術家だったと実感出来る作品である。

一つ残念だったのは、私は新潮文庫で訳などもついたものを読んだので、
理解はしやすかったが、
一首が2行に分かれて書かれているが、
途中で行が変わるのでせっかくの短歌のリズムをつかみにくかった。
2行に分けるなら上の句、下の句で分けてほしかった。

20160531 読了