彼の腕の中で流れる涙を止められないまま彼が拭ってくれる・・・その暖かい手に自分の手を重ねて目を開けた・・・
「夢みたい・・・」
「ん?」
「ジュンスと・・・こんな風になれて・・・夢みたい」
「僕もだよ?僕も夢見てるみたい」
「なんで?ジュンスはファンいっぱいいるしもてるでしょ?」
「ん~・・・僕が好きな人とこんな風になれるのとはまた違うから・・・」
「・・・そっか・・・」
芸能界は華やかな世界だけど彼の表情を見ているとそうでもないのかな?って思ってしまう・・・確かに彼は・・・彼らは韓国と日本そしてアジアで活動しているグループだ・・・寝る暇もないほど働いているから・・・意外とそんな出逢いもないのかも・・・
「笑美・・・」
「ん?」
「何考えてるの?」
「・・・幸せだなって・・・」
「ふふっ」
「ちょっと前まではただのファンの一人でジュンスと付き合えるなんて思ってもなかったなぁって」
「・・・うん」
「どれだけジュンスが忙しくて逢えなくても今までとは違うのかなぁって」
「・・・逢えな・・・くても?」
「だってジュンスは遊ぶ暇も寝る暇すらないでしょ?」
「・・・」
「だけどファンとして待つのと・・・彼女として待つのでは違うから・・・幸せだなぁって思って」
「・・・ほんと?」
「・・・え?」
「ほんとに幸せ?逢えなくても?」
「・・・どうしたの?」
「・・・ごめん・・・僕は・・・」
「・・・ん?」
「ううん何でもない」
「何?言って?気になるよぉ」
「・・・僕は・・・逢いたいし・・・いつもそばにいられたらって思う・・・だけど・・・実際はそうも行かないから・・・」
「うん・・・」
「だから逢えなくても幸せだなんて・・・無理してるんじゃないかって・・・」
「無理なんかしてないよ?こうやってるだけでも幸せなんだもの」
「・・・」
私はジュンスみたいに素直に言えなかった・・・彼女になったけどこの先いつでも逢える訳がない事を私は十分知っていたから・・・傍に居て欲しい・・・それを言ってしまったら彼にこれ以上無理させる事になる・・・それにどう考えても無理なお願いだって知ってるから言えないよ・・・だけどジュンスがそう言ってくれるだけで嬉しかったよ・・・この時は彼の過去に何があったかなんて知らなかったから・・・
続く・・・




