台湾本島は九州とだいたい同じくらいの大きさ。
辿るコースによって当然差はでてくるが,ぐるっと一周はおよそ1,000km。東京-北九州,東京-樺太(サハリン)島南端とほぼ同じだ。
距離が距離だけに,そもそも車いすをシャカシャカ漕いでいけるようなことなのかどうかもよくわからない。やたら大変そうだということは想像できるけど。
こういう時自分は,
「どれだけノンビリしていても雨が降っていなければ1日に1kmなら必ず進めるでしょ?それを1,000回繰り返せばイイ。計算上100%できる。」
と,極論から考え始めることにしている。そして,
連日(休みなしで)50km/1day=350m/1weekなら1,000kmはおよそ3weeks(20~21days)かかる。
同様に,20km/1day=140km/1weekなら1,000kmはおよそ7weeks(49~50days)かかる。
と,現実的なスケールまで数字を置き換えていく。
諸々の条件を加味しないあくまでも計算上の値ではあるが,こうやって考えれば決して絶対に不可能ってことではなさそうだし,もしかしたらいけるかも?って気さえしてくる。
なるほど,だったらまず,自分が一日にどれくらいの距離を漕ぐことができるのかをキチンと把握しておかなければならない。
そこで,2018年03月から06月にかけて,自宅周りの都市部,山間部,海岸沿い等いろんな地形を含めた20km,40km,60kmのコースを設定して,合計600kmを越えるトライアルを実施した。
「激しい雨が降っておらず,極端な起伏が連続していなければ」という条件下においては...
60kmは,1日限りであればできるだろう,という印象であった。やったとしても翌日は必ず完全休養。連日繰り出せるワザではない。
40kmは,回数を重ねるに従ってカラダも慣れてきて,2日連続でもこなせるようになった。
20kmにいたっては,特に意気込むこともなく連日当たり前にこなせるレベルに達した。
↑いずれの場合も,安定して5.0km/h(Avg)前後は保持できた。
ひとまず,60km/3days(20km/1day)を標準と設定した。
つまり,20kmを3日連続して漕いでもイイし,30kmを2日漕いで1日休んでもイイ。
これなら適度に休みを織り交ぜながら50日あればこなせる計算だ。
ただし,降雨や体調不良による停滞は必ず発生するだろうから,やはり+10~20日の60~70日は見込んでおいた方がイイだろう。
とにかく「20~30km/1dayで50~70days車いすシャカシャカすれば,計算上は不可能ではない」ということがなんとなくわかった。
次に,自分が↑の行程をこなせるのかどうか?だ。
自分は,毎月の外来受診と,2回/1年のペースの入院で血漿交換か血液製剤の投与を受けて,ちょっとしたオヤツになるくらいの量のおクスリを毎日服用して体調を維持している神経難病患者で,二足歩行できない身体障害者だ。
肺活量は6,000ccもあるのに吐き出す力がフツーのヒトのそれの6割程度しかないから呼吸が非常に浅い。故に何をやっていてもスグに息が切れる。
握力は左右ともに15kg前後しかなく,脱力が始まると首にカラーをカマさないと自分で頭を支えられなくなる。
でも,もうそろそろ病歴も10年,自分のカラダはこういう時にはこうなる,このヘンが臨界点でコレを超えるといよいよマズい,ってことはもうだいたいわかっている。
それに,2015年に里帰りでSingaporeに14日間,2017年に旧友に会いにMexicoに同じく14日間,いずれも単独ででかけた経験を経て,決してムチャをしてはいけないが必要以上にビビることもない,ってことがよくわかった。
↑のパフォーマンスを発揮するには,そもそもの病気の病状をウマくコントロールできて,道中常に自分自身が健康であり,車いすをはじめとする装備一式が全てキチンと機能していることが絶対条件だ。
カラダ,装備ともに良好な状態をkeepできるのなら,↑の夏までのトライアルでは「ん?イケそうか?」という感触を得た。
[調査 2/3]につづく...