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我只是在慢慢旅行♪

2019年03月,ようやく実現した長期滞在台湾旅行の記録です。

台湾本島は九州とだいたい同じくらいの大きさ。

辿るコースによって当然差はでてくるが,ぐるっと一周はおよそ1,000km。東京-北九州,東京-樺太(サハリン)島南端とほぼ同じだ。

 

距離が距離だけに,そもそも車いすをシャカシャカ漕いでいけるようなことなのかどうかもよくわからない。やたら大変そうだということは想像できるけど。

 

こういう時自分は,

 

「どれだけノンビリしていても雨が降っていなければ1日に1kmなら必ず進めるでしょ?それを1,000回繰り返せばイイ。計算上100%できる。」

 

と,極論から考え始めることにしている。そして,

 

連日(休みなしで)50km/1day=350m/1weekなら1,000kmはおよそ3weeks(20~21days)かかる。

同様に,20km/1day=140km/1weekなら1,000kmはおよそ7weeks(49~50days)かかる。

 

と,現実的なスケールまで数字を置き換えていく。

諸々の条件を加味しないあくまでも計算上の値ではあるが,こうやって考えれば決して絶対に不可能ってことではなさそうだし,もしかしたらいけるかも?って気さえしてくる。

 

なるほど,だったらまず,自分が一日にどれくらいの距離を漕ぐことができるのかをキチンと把握しておかなければならない。

 

そこで,2018年03月から06月にかけて,自宅周りの都市部,山間部,海岸沿い等いろんな地形を含めた20km,40km,60kmのコースを設定して,合計600kmを越えるトライアルを実施した。

「激しい雨が降っておらず,極端な起伏が連続していなければ」という条件下においては...

60kmは,1日限りであればできるだろう,という印象であった。やったとしても翌日は必ず完全休養。連日繰り出せるワザではない。

40kmは,回数を重ねるに従ってカラダも慣れてきて,2日連続でもこなせるようになった。

20kmにいたっては,特に意気込むこともなく連日当たり前にこなせるレベルに達した。

↑いずれの場合も,安定して5.0km/h(Avg)前後は保持できた。

 

ひとまず,60km/3days(20km/1day)を標準と設定した。

つまり,20kmを3日連続して漕いでもイイし,30kmを2日漕いで1日休んでもイイ。

これなら適度に休みを織り交ぜながら50日あればこなせる計算だ。

ただし,降雨や体調不良による停滞は必ず発生するだろうから,やはり+10~20日の60~70日は見込んでおいた方がイイだろう。

 

とにかく「20~30km/1dayで50~70days車いすシャカシャカすれば,計算上は不可能ではない」ということがなんとなくわかった。

 

次に,自分が↑の行程をこなせるのかどうか?だ。

 

自分は,毎月の外来受診と,2回/1年のペースの入院で血漿交換か血液製剤の投与を受けて,ちょっとしたオヤツになるくらいの量のおクスリを毎日服用して体調を維持している神経難病患者で,二足歩行できない身体障害者だ。

 

肺活量は6,000ccもあるのに吐き出す力がフツーのヒトのそれの6割程度しかないから呼吸が非常に浅い。故に何をやっていてもスグに息が切れる。

握力は左右ともに15kg前後しかなく,脱力が始まると首にカラーをカマさないと自分で頭を支えられなくなる。

 

でも,もうそろそろ病歴も10年,自分のカラダはこういう時にはこうなる,このヘンが臨界点でコレを超えるといよいよマズい,ってことはもうだいたいわかっている。

それに,2015年に里帰りでSingaporeに14日間,2017年に旧友に会いにMexicoに同じく14日間,いずれも単独ででかけた経験を経て,決してムチャをしてはいけないが必要以上にビビることもない,ってことがよくわかった。

 

↑のパフォーマンスを発揮するには,そもそもの病気の病状をウマくコントロールできて,道中常に自分自身が健康であり,車いすをはじめとする装備一式が全てキチンと機能していることが絶対条件だ。

カラダ,装備ともに良好な状態をkeepできるのなら,↑の夏までのトライアルでは「ん?イケそうか?」という感触を得た。

 

[調査 2/3]につづく...

台湾は,以前にも仕事で何度も訪れてはいたが,その頃は本当に現場と宿との往復だけで,夜市にさえ一度も行ったことがなかった。
だから,いつかはジックリと訪れてその独特の歴史や文化に直接触れたいと思っていたのだが,ずーっと果たせないままでいた。

 

そんなに行きたかったのなら,今までいくらでも時間はあったのだからスグにでも行けばよかったのだ。

メチャ近いんだし,着替えだけ持ってそれこそ明日の便ででもヒョイと行ってくりゃイイのだ。

でもそうはしなかった。なぜなのか?

 

食べ物がおいしいから,お茶がおいしいから,景色がキレイだから,鉄分が豊富だから(←鉄道ネタねw),ヒトが優しいから等々...

全て正しいだろうしどれも実に魅力的だ。

屋台でいろんなモノ食いまくって「あーもうこれ以上食えねーッス!」って手足をバタバタさせてみたい。

汗に赤サビが混じって出てくるくらい鉄道に乗りまくってバンバン鉄分補給したい。

 

...いや...違う。

確かに手足バタバタも赤サビもイイんだけど,自分が台湾に抱き続けてきた思いはこういうことだけではなかった。

 

今は全く別の道を歩んでいるけど,台湾と我が国はとても深い関係がある。

学校では習わなかった台湾と我が国の近現代史を勉強すると,どうしても台湾が他と同じいわゆるフツーの「外国」とは思えなくなってしまっていた。

だから,こと台湾訪問においては,数日から2~3週間程度の滞在では全く足らないことは明らかで,訪問するのならそれこそほとんど住み込むつもりでドップリと入り浸りたいと常々思っていた。

 

しかしそうやって大げさに考えていたから結局ズルズルと先延ばしになって未だにちゃんと訪れていない。こんなことになるなら,あーだこーだ言わずにとにかく2~3日でも,1度で足らないなら何度も行っておけばよかったのだ。

それに,やはり台湾は人気があって,旧友たちが代わる代わる訪問して楽しんでいる様子をSNSで見ていると,

「うーやっぱ早く行きてぇよなぁ台湾...」

と,もういい加減シビレが切れるところだった。

 

そしてそんな折に例の旧友のSNSの「環島」の記事。

 

おいおいw

もしかしたら...もしかしたらよ?

ひょっとしたらこのオレでもよ?

思わず鼻で笑っちゃうくらいようなことなのかもしれないけどよ?ww

自転車じゃなくて徒歩でもなくて,自分で車いすをシャカシャカ漕いで台湾本島およそ1,000kmをぐるぅーっと一周できちゃったりしねーか?www

 

「環島」は,自転車だけではなく,バイクでも自動車でも鉄道でもなんならひたすら歩いて周っても全然構わない。

でも,鉄道は乗ってりゃ爆睡していても勝手に終わってしまうので面白くないし,自分はチャリンコにもバイクにも自動車にも乗れないので当然徒歩だ(ってか 徒歩もできないから車いすで自走なんだが)。

自分は飛行機や鉄道,クルマ等に乗って移動する旅ももちろん好きだが,やっぱり歩きメインの旅が一番好きなのだ。

有名な観光地を効率的に駆け巡るよりも,フツーの街や農村を訪ねてそこに暮らす人々の生活ぶりを観察する事が好きだから,ノンビリ歩いて~というスタイルが一番合っている。

 

環島についてのブログや動画をネット上でたくさん見つけることができる。

それらをみていると,多くのヒトたちがそれぞれいろんな思いで環島していることがわかる。

台湾人の場合「台湾人として一生に一度はなさねばならぬ」と「挑戦」しているヒトも多い。

日本人においては,東日本大震災や昨今我が国で起きている自然災害に対する台湾の人々からの支援にありがとう!とお礼を言うために環島に「チャレンジ」する,というヒトもいる。

 

自分の場合は単純に「しばらくの間滞在してひとりでジックリのーんびり散歩したい」ってだけで,

何かのために誰かのためにやりたい,というような崇高な大義名分なんかない。

 

そりゃもちろん途中でやめるより最後まで完結する方がイイに決まってんだけど,

「挑戦!チャレンジ!成功!達成!」

って,そこまで鼻息荒くしてするのもなんだかなぁwww

 

フツーに歩けりゃ絶対にできる。当然シンドいだろうけれど必ずできる。

そこらの安宿にも楽勝で泊まれるし,トイレにもぜーーんぜん不自由しない。

十分な時間さえあれば必ずできる。できないワケがない。

では歩けないオレはどうなのだろう?

とても大変なように感じるのだが,フツーのヒトと何がどう違うからそう感じるのだろう?

 

2015年のSingaporeや2017年のMexicoでは,首都市内のホテルに拠点を置き,そこから公共交通機関を利用して日帰りできる範囲で行動した。

「台湾本島をぐるーっと単独で車いすシャカシャカで旅する」ということは,↑のような今までのフツーの旅とは全く異なってくる。実際できるものなのだろうか?

 

パッと思いつくフツーのヒトとの大きな違いは...

 

◆安宿に泊まれない

郊外に点在する民宿,ゲストハウスの類いの安宿にバリアフリーを期待する方がムチャなハナシだ。

屋外,屋内とも段差だらけだし,通常1Fがダイニングで2F以上に客室がある。当然階段だからダメ。

都市部のエレベータ付きのホテルは非常に高価なので何泊も泊まれない。

 

◆(↑ってことは)お風呂に入れる機会がない

 

◆トイレが極端に少ない

都市部はともかく,郊外に身障者用トイレがあると期待してはいけない。

和式(ってか「しゃがみ式」)は問答無用でNGだし,洋式でも便房まで辿り着けなければ用を足すことはできない。

 

◆ダート,砂地,砂利,畦道 ,不整地等に進入できない

基本的に車いすは舗装道しか走行できない。特に深い草地や砂利なんかは,まるでアリ地獄のように,進もうとすればするほどズブズブと沈み込んで身動きがとれなくなる。

気軽に畦道をショートカットして~小川をヒョイと越えて~なんてこともできないので,バッチリ地図に記されている道を清く正しくなぞるしかない。

それに「遊歩道」「自転車道」とかいう二足歩行者や自転車のために整備されているような道は要注意だ。先に進むと柵が現れたのでヒョイと越えて~ってこともできないから,せっかく進んだ数kmを逆戻りしなければならず2倍の距離がムダになる。

 

...などなど,できなそうな不利なネタを挙げたらワンサカ出てくる。キリがない。

 

でもなあ,何日もかけて車いすシャカシャカ漕いでいろんな集落を訪ね歩いている情景を想像するだけでワクワクしてくる。

 

退院して,自転車や徒歩での環島体験者のブログや動画をみているうちに,ソワソワが止まらなくなってきた。アカン!チビりそうだ!

 

「うーー環島...台湾行きてぇーー!」

 

[調査 1/3]に続く...

自分は,40歳台前半に病気に罹って社会から離脱して以降,この約10年の間全く生産性のない毎日をダラダラと過ごしていて,1mmも1gも社会に貢献していない。

妻をはじめ,立派に活躍している同世代の仲間たちの様子をSNSや会合で見聞きする度に,自分の不甲斐無さを思い知らされる。

まあ他のヒトたちと比較する必要なんか全然ないのだが,何せ元々の性格が超ネガティブだから,いつも

「どーせオレなんかなーんの役にも立たねー世間さまのお荷物よ」

という卑屈な気持ちを胸の隅っこに引っ掛けて静かに毎日をやり過ごしている。

 

2017年12月下旬から2018年01月上旬にかけて,血液製剤の投与を受けるために,ある国立大学病院に入院していた。

通算11回目のこの入院は,何人かの旧友が病棟まで見舞いに訪れてくれたりしてうれしい出来事もあったのだが,いつにも増してツラくタフな治療メニューであった。

そんなタフな入院も終盤に差し掛かった2018年01月上旬のある日,経済学者として大学で教鞭をとる↑旧友のSNSの記事に目がとまった。

 

来日した台湾のスポーツ自転車の世界的ブランドGIANTの元社長である羅祥安氏の講演を聴きに行ったことを紹介した彼女のその記事には,

「昨今台湾では自転車で7~10日かけて台湾本島一周する「環島」がブームになっていて,それを仕掛けたのがGIANT社であり羅氏自身も既に9回も達成している」

という内容の記述があった。

 

'80~'90年代,ICチップをはじめ電子部品の生産を中心に大いに沸いた台湾であったが,間もなくその舞台は大陸へ移動し,台湾の経済は冷え込んだ。産業構造の大変革を迫られるも決定的な打開策を打ち出せずもがいていた2007年に大きな転機が訪れた...(おおよその事情)。

 

台湾の国を挙げてのこの取り組みは,社会人になってから唯一欠かさず購読している東洋経済誌でも紹介されていたので,以前から台湾で非常に大きな自転車ブームが起きていることは知っていた。

最近では,日本国内においてもTV番組で紹介されたり,一青妙氏による環島を紹介する本が同社から刊行されたりして,広く知られるようになった。

20160326 世界ふしぎ発見!

20171118 「自転車で国内一周」が台湾で大流行のワケ

 

「環島」

 

それまでほとんど気にも留めていなかった単語だったのに,どういうわけかこの日から心がザワザワし始めた。

[きっかけ 2/2]に続く...