レポ2・二丁目のグッドバイ・合い言葉は「にゃっす!」 | 世界の果てで、ぽよぽよに

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日々の暮らしをなんとなく

ベンチでふさぎ込むジョージに、ボケてたおじいちゃんが、急にしっかりして言います。
「お前は、なせ人の悩みを聞かなくなった?つらくなったか?アンにはホントの気持ちを伝えたのか?
お前はもう、ひとりで泣いていた時のお前とは違うんだよ」「…そうだね」
ジョージは突然姿を消しました。
おじいちゃんはジョージを拾ってきた時の事を思い出す。
「12年前、雨の日ダンボールに入れられて捨てられていたんだ。他の兄弟はみんな死んでた。あいつだけが、寒いよ、冷たいよって、泣いてたんだ」
ジョージ、実は、かなりのご高齢…。

ジョージがいなくなると、アンはベンチでジョージの帰りを待つようになりました。
心配そうに、あちこち見回すけど、やっぱりジョージはいない。

そんな中、お母さんはお父さんに浮気してる事を告白。
なんだか大変な事に。
お母さんは斜向かいの自称作曲家のアパートで同棲。おじいちゃんを三姉妹とお父さん、高校生男子で面倒みてる。
三姉妹は劇団員(アンの飼い主の他に2人)と付き合いはじめ、おじいちゃんの散歩を任せたり…。
なんやかんや、あるけど、ご町内は、おばけ大会や祭りでもりあがる。

(この辺、順番はあやふや)
そんな中、ジョージが帰ってきた。
アンとベンチに座って
「ここと似た、いい場所を見つけたんだ。そこで暮らす事にした。これからは、ひとりで頑張って生きてく。
アンのこと、好きだよ。これ、オレのホントの気持ち。」
でも、アンは首を横に振る。そんなの違う、って感じで。
再び、ジョージはどこかに行ってしまう。

お母さんは自称作曲家と、あんまりうまく行ってなかった。
「なんでオレの楽譜を捨てたんだ」
「ゴミにしか見えなかったんですもの」
殴られてアパートから出てきたお母さんと、お父さんは鉢合わせ。
そこへジョージがふらっと来る。
会話もなく、自称作曲家のアパートに戻るお母さん。何も言えず泣いてしまうお父さんにジョージは
「なんで、戻って来いって言わないんだよ!お前はホントの気持ちを言った事あるのかよ!」
と叫ぶと、倒れてしまう。
倒れたジョージは、ベンチの向こうで、背もたれに寄りかかって、つぶやく
「死ぬのは怖いよ。死にたくない」

暗転して、ジョージとアンはベンチに並んで座ってる。
アン「私にも、そういうのわかるかな?」
ジョージは頷く。
アン「ホントに行っちゃうの?」
ジョージ「当たり前だろ!オレ、ネコだよ」
ジョージはどこかへ行ってしまった。
おじいちゃんが家から出てきて
「ジョージは行ったかい?」
とアンに聞く。
頷くアン。
お父さんが荷物を持ってお母さんと家から出てくる
お父さんはおじいちゃんに
「そろそろ、行きましょうか」と言う。
おじいちゃんは、老人ホームへ行くみたい。
お母さん「手続きとか、いろいろお父さんに任せてごめんなさい。おじいちゃん、最後になにもしないで、ごめんなさい。」
と言って、自称作曲家のアパートに入って行こうとする。
作曲家アパートから出てくる。
お父さんは「帰って来てくれないか!」とお母さんの後ろ姿に言う。
作曲家「いまさらねぇ」
お母さん「アナタが、許してくれるなら」
まさか、の展開!
抱き合うお父さんとお母さん。
子供達も、家から顔を出して、ニコニコ見守る。
夕日の中、お父さんはおじいちゃん
「行きましょう」
と言う。
止める、お母さん。
おじいちゃんは
「いいんだよ。たまには、顔を見せに来てくれ」
自分で荷物を持って歩きだす。
子供達が
「遊びに行くね」
「元気でね」
と見送る。
おじいちゃんが去ると、アパートから住人達が出てきて
「きれいな夕日だね」
と笑顔になる。
そして、みんな家やどこかに行く。
アンだけがベンチに残る。

チリンと鈴の音がして
「ジョージ?」
ジョージはふらふらと現れ、倒れてしまう
「あー、ベンチまでいきたかったなぁ」
アンは一生懸命ジョージを引っ張ってベンチに連れて行こうとする。
「わかったよ、アン。大丈夫だから、ベンチでまってて」
最後の力でベンチへたどり着いたジョージ。
「また、帰って来ちゃったなぁ」
アンをそっと抱きしめるジョージ。
「初めて、触った。んふ」
そして、アンの肩越しに、夕日を見て、嬉しそうな悲しそうな顔で叫ぶ
「あ~!」
そして、アンの肩にカクンともたれ掛かってしまう。
「ジョージ!いやだよ~」
アンの泣き声が響いて、暗転。

ベンチにはアンがちょこんと座ってる。
首には赤いジョージの首輪。
朝、アパート住人達が会社や学校に行く為出てくる。
「アン、行ってくるね」
「行ってらっしゃい」
みんな、ジョージにしていたように、アン、のアタマを撫で撫でして行く。
三姉妹のひとりが顔をだす
「アン、ジョージのゴハンが残ってるけど、たべる?」
「うん!」
アンは、家に上がると、引き返して、首輪を触りながら、遠くを見た。
また、家の中から
「アン、おいで~」
と呼ばれ、返事をした。


おしまい