こんばんは。

今回は最近観た映画(録画したもの)について書きます。


「八日目の蝉」2011年 日本

(敬称略いたします)

監督…成島出

主題歌…中島美嘉


キャスト

秋山恵里菜(薫)…井上真央

千草…小池栄子

秋山恵津子…森口瑤子

 秋山丈博…田中哲司

久美…市川美和子

久美の両親…平田満・風吹ジュン

岸田…劇団ひとり

野々宮希和子…永作博美



 

原作は角田光代さんです。

 

 

主演は井上真央さん。

しかし、永作博美さんの存在感が強く、W主演みたいな感じでした。


これ以後は、ネタバレと私の考察があります。

読みたくない方は、スルーしてください。


この映画について書くにあたり…

注意してほしいのは

誘拐は犯罪である注意ということ。

しかも2人の間に血縁はなく、全く関係のない他人が行ったこと。

そこに至るまでは、いろんな事があった。

丈博や恵津子からされたことに、希和子の心が深く傷ついてしまったことは確かです。


しかし、

誘拐したことは正当化はされません!!

生後間もない乳児を両親から奪ったのですから…。


さて、作品は現在と過去が交互に出てくるような感じで、物語は進んでいきます。


希和子と連れ去られた子供については大きくクローズアップされていますが、誘拐されてしまった家族についてはあまり描かれていません。

(原作はまた違うのかもしれません…)


子供がいなくなってから、両親はかなりの苦しみを味わっているはずです…。

その上、戻ってきた娘は懐かない…。

親の立場としては辛いし、悲しいですよね…。


子供は子供で大変です。

何も知らず、4歳まで母親と思って一緒に暮らしてきたのは本当の母親ではなく、誘拐犯。

4歳…この年齢だと、自分の周りにいる人の顔がはっきりと認識できているし、基本的な生活習慣や様々なことも親から学んできている。

それが、いきなり実の親の所に戻って「えりな」と呼ばれても、困惑するのは当然なこと…えーん

全く違う環境に置かれてしまうのは、子供にとっては大きなストレスですね。

子供が母親に怒られる場面が出てきますが…。

あえて言っておきますが、子供は何も悪くありませんえーん!!

(お母さん、辛いかもしれないが優しくしてあげて)


希和子は人の子供に「薫」と名付けて、慈しんだ。

だけど、彼女自身、

いつまでもそんな生活が続くとは思ってなかったと思います。

いつかは本当のことを話す日が来るはずです。

しかし、逃げ切れるとこまではいきたかったのでしょうね…。


本来であれば、秋山夫妻の子供をさらうこと自体、考えないはず…。

奪ったとしても育て続けるのは難しいと思います。

それでも見放さずに4歳まで育てたということは、はじめは確かに復讐目的だったのかもしれないけど、一緒にいるうちに、子供に対しての情がわいてしまったのでしょうね…。


 冒頭のシーンで恵津子が話していたシーンにもあるように、希和子は子どもの身体だけでなく、心も奪いました。

結果、希和子は秋山夫妻に対して、大きな復讐を果たしたと言えます不安

しかし、一番悪いのは父親…丈博です。

はっきり言って、一番悪いのはこの男です!!

希和子が納得するようなきちんとした別れ方をしていれば、こんな事にならなかったと思います。


秋山家に戻り、その後大学生となった恵里菜は家を出て一人暮らしをします。

表情にはつらつとした明るさはなく、どことなく暗く冷めています。

そしてある人と恋愛関係になり付き合いますが、相手は妻子のある男性でした。


程なく恵里菜は妊娠してしまいます。

なんと、恵里菜は希和子と同じ道を辿っていました。

しかし、きちんと恵里菜の方から彼に別れを告げました(えらいねおねだり!)

実家に行き、赤ちゃんを産む事を母に話します。

相手は「お父さんみたいな人」と。

もちろん母は産むのを反対します。

恵里菜は母に、自分はがらんどうになりたくないと言います。

それはかつて、母が希和子に言った言葉でした。


産みたいと思ったのは、千草という心の内を話せる人が出来たというのも大きいと思うし、幼い時、確かに自分は愛された記憶があった…。


あの最後のシーンを見て、恵里菜はいつかは希和子に会いに行くのではないのだろうか?と感じさせた。

それぐらい、お互いに濃い4年間を過ごしたことを感じさせた…。

今思いましたが、いつ壊れるかわからない関係だったからこそ希和子は、子供に精一杯心を尽くしたような気がします。


しかし、恵里菜ちゃんは今後も色々と苦労をするんだろうな…と、少し心配にもなりました。

(子育てもそうだけど、親との関係とかね…)

これを機に、傷ついている自身の心のケアをきちんと受けてほしいなとも感じました。


★キャストについて

永作博美さんは誘拐犯らしからぬ、優しい雰囲気でした。しかし犯罪を犯す人って意外な人っていうこともあるから、なんとも言えないですね。

ただ元々の人柄の良さが滲み出ていた気がします。

どちらかといえば、森口瑤子さん演じる恵津子の方が鬼の形相だったガーン

井上真央さんの冷めた感じは、役柄として合っていたように思います。

それまでとは違う面を見たような気がしました。


見始めると最後まで観たくなる映画だと思います。

親子って何だろう?と、色々考えさせられる映画でした。