前回の続きです。



その頃、越中•魚津城の柴田勝家は…荒れに荒れていました。それを佐々成政(ささなりまさ)から止められていました。

「今上杉に背を向ければ、背後から一気に攻めかかられ、我らは惨敗となりまする!」と。

しかし、勝家はそれどころではありません!!

勝家は自分一人でも行って、明智の首を取ると!!

上様の敵を取るのはこのわしだと息巻いてます。

物や扉を次々と破壊してます。

すると。縁側に前田利家がいました。

前田は勝家に、一緒にお供すると言いました。そして…

「きっと上様にはどやされまする。この愚か者めが!これしきのことで取り乱すでない!今こそお前が織田家を守らずしてどうする!」

「おやじ殿、どうか、ご辛抱くださりませ!」

利家は頭を下げてお願いしました。

悲しくて悔しい…いろんな感情が混ざった顔の勝家…。

成政に自分を縄で縛り付けてくれ!と頼みます。

頭を冷やすと。

そして「すまぬ、利家!」と謝るのでした。


夕方…近江の安土城では明智光秀がいました。

明智の重臣より、織田信澄様が大坂にてわれらにくみし、籠城したとの知らせが。

長浜は?と聞く明智。

手勢を差し向けたが、すでに城はもぬけの殻。

流石に素早いなと、明智。

徳川家康も伊賀にて待ち伏せているが、未だに姿を現さないと。

調略の方はどうなったか?と明智は訪ねます。

細川殿、筒井殿、中川殿、高山殿、長宗我部殿にも文を送りましたが、いまだに返答はないとのこと。

皆、測りかねているのでしょうと。

「誰か一人腹を決めれば、皆一斉にこちらになびくはずじゃ」と明智は考えていました。

細川殿しかおりますまい、細川殿ならば必ずや我らのお味方となってくれましょうぞと斎藤利三は言います。明智は頷きます。


小一郎は外を眺めています。

吉祥より、「お見えにならはりました」と声をかけられます。

すると階段を上がる音が…。

「わざわざお呼び立てして申し訳ございませぬ。細川殿」

小一郎の目の前に現れたのは、丹後宮津城主細川藤孝でした。

「今は時が時ゆえ、ご無礼のほどご容赦くださりませ」

「それは構わんが…良いのか?…私と明智の仲は御存知であろう?そなたのことを知らせるやもしれませんぞ」

「覚悟の上にござりまする」

「それほどまでして、私に用とは何じゃ?もしやこの場で差し違えようという魂胆か?」

表情を一切変えない小一郎。

細川は戯言じゃと笑います。

この私を説き伏せるために呼んだのであろう?明智につかぬようにと。

それだけではないと小一郎。

明智と旧知の仲である細川殿に、お知恵をお借りしたいと言いました。


小一郎「どうにかして、明智殿をお救いする術はないかと!」

小一郎からの意外な言葉に驚く細川。

「此度の謀反、わしは断じて許せませぬ!」

「我が兄も同じ思いのはず。このまま明智に天下は渡さぬ。上様の敵討ちは必ずや!必ずや、我らが果たす!その一心でいくつもの文を書いてまいりました。明智の非道を断じて非難する文を!」

「じゃが。幾度も幾度も明智の名を書く度に思い出すのです。ついこの間まで共に戦っていたことを。わしはどうしたらよいか分かりませぬ。教えてくださりませ!細川殿!」

「わしはどうしたらいいんじゃ!」

小一郎はその場に倒れます。


秀吉の方は夜も更けて…雨も降ってきました。

馬はその場から一歩も動けなくなりました。

秀吉は急いでいるので、馬に動くよう言いますが…動きません。


小一郎は横になっていて、目覚めました。

そばには吉祥と高虎がいました。

ほぼ丸一日寝ていたようです。

高虎には無理もありませぬと言われます。上様が討たれてからこれまで、ひとときも休まずに文を書き続けて根回しされていたからと。

細川氏を呼び出しておいて何というざまじゃと、小一郎は行かねばと言います。

すると、「気が付かれたか?」と、細川氏が現れました。「なぜ?」驚く小一郎。

「まだお主の問いに答えてなかったからのう」

「どうすべきか正直、わしもまだ迷うておる」

「だが小一郎殿。明智殿を救おうなどお主のうぬぼれじゃ。明智殿はいっときの情に流されて謀反を起こすような浅はかな男ではない。やるからには強靭な覚悟と確かな勝算があってのこと。現に織田の家臣たちは誰一人駆けつけることさえ出来ぬではないか。お主の兄とて、まだ備中からの遠き道のりであろう。それでどうやって明智殿を討つというのじゃ」

「向こうは全身全霊をもって、織田を倒しに参るぞ」

「今ここでわしを殺し、明智殿に力を貸すのを阻むくらいのことをせねば、勝ち目などない。…今のままでは討たれるのはお主らの方じゃ」

小一郎は静かに細川氏の話を聞いています。


すると、小一郎の家来がやってきました。

細川はいましたが。「構わぬ、申せ」と小一郎は言いました。

「殿様率いる羽柴軍2万5000が、6日に姫路城へ入られたとのこと!尼崎城にて合流せよとのことにござりまする!」

小一郎「やはり来たか…承知した。我らもすぐに立つ」

それを聞いて驚く細川。ありえん!備中から姫路までたったの2日で…と。

「上様のおかげでござりまする」


〜回想〜

夜の雨が降っている中、倒れた秀吉。

「上様…上様…上様…」

秀吉は地面を這いつくばって、うわ言のように言います。

そんな秀吉を心配してそばに寄る蜂須賀と前野。

すると、松明が秀吉たちの前に…。

村人たちが秀吉たちに寄ってきました。


「お待ちしておりました!大事ありませぬか?」

「水も飯も存分にありまする。馬の替えも用意してございます」

驚く秀吉。

前野「小一郎殿が、上様の西国ご出陣のために支度させていたものでござります。それをそのまま、殿のお戻りに役立てよと!」

蜂須賀「さすがは小一郎殿じゃ!」

秀吉「皆に伝えよ!しばし英気を養え!さすればすぐに次を目指して出立する!」


細川氏はそんなまねができると真に思っておったのか?と驚いてます。

思うておりましたと小一郎。

「兄者なら、走り続けると。上様をお救いするために」

「細川殿のお陰で目が覚めました。もう迷いませぬ。兄と共に明智を討ちまする」


山城 下鳥羽の明智の軍の方では、利三が家臣より秀吉の軍が尼崎にいることを聞いて驚いています。

その中には毛利の旗印もあると、それを見て続々と敵方に兵が集まってきていると。馬鹿な…毛利が織田に加勢するなどあり得んと言うと、これも策略であろうと明智は言います。

利三は坂本に戻って兵を整えるべきと明智に提案します。

しかし、明智は信澄様が命と引き換えに信孝と丹羽の軍勢を足止めしてくれた、今引けばそれが無駄になってしまうと言いました。


信澄は白装束姿で正座してました。

目の前には丹羽長秀がいます。

取り乱すことなく、落ち着いた様子です。

丹羽「愚かなまねを…上様はあなたをお許しになるおつもりだったのじゃ。」

微笑む信澄…。

自らの腹に刀を刺します。

信澄は生涯を終えました。


明智「もはや。後戻りはできぬ。羽柴の軍勢が来たとて、今ならばまだ敵の足並みは揃わぬ。攻めるのなら今じゃ」

すると。細川より文が届きました。

そこに書いてあったのは…

細川殿は出家し、家督を忠興(ただおき)に譲るとのこと。我らに力は貸せぬと。

「今やっと、上様のお気持ちが分かったわ。」

明智は、利三より坂本へ戻るよう再び言われますが…

「ならん!我らは朝廷より織田に代わって畿内を守ることをお許しいただいたのじゃ、大義はわれにあり!これより勝龍寺城にて賊軍どもを迎え討つ!」



摂津の尼崎城にて。

小一郎は厳しい表情で人を待ちます。

背後…門のところから秀吉の声がしました。

小一郎は振り向かずに、兄に背を向けています。

迎えにも来ないで!という言葉に「すまん」とだけ、返す小一郎。

秀吉は小一郎に、これだけ早く戻れたのもお前が用意した道々の兵糧のおかげだとお礼を言います。

「上様は、見つかったか?!」

「すまん」

「何をモタモタしておるのじゃ。手傷を負って何処かに身を隠しているに相違ない。早うお探ししてお助けせねばらお叱りを受けるではないか!」

「すまん…」涙声になる小一郎。

「何じゃお前は…。さっきから「すまん」しか言うとらんじゃないか」

秀吉は、小一郎の顔を見ます。

小一郎はすすり泣きます。

「何じゃそれは…。泣くでない!それではまるで…上様が、真に死んでしもうたみたいではないか!」

ボロボロと涙を流す小一郎。

「すまん…。わしがおそばにおり…」

「やめんかームキー!」

「わしは…兄者を欺いたのじゃ。すこしでも早く戻らせようと…わしは兄者を」

「やめよと言うておろうが!」

秀吉は小一郎を殴りました。

「目を覚ませ、小一郎!上様が死ぬはずなかろう!」

すると、今度は小一郎が秀吉を外へ投げ飛ばしました。

倒れている秀吉を殴る小一郎。

二人は取っ組み合いとなります。

「兄者のほうこそ、目を覚ませ!上様は死んだんじゃ!もうどこにもおらんのじゃ〜!

黙れ!!違うと言え!頼むから違うと言ってくれ!…頼む小一郎。…違うと言ってくれ。頼む小一郎。」

二人とも大泣きしますえーん

「もう、おやめくだされ!」与一郎が、何か包みを持ってやって来ました。

少し冷静になる二人。取っ組み合いは終わり、その場に座り込みます。

小一郎「与一郎…お主、何故ここに?」

与一郎「私も父上にお供するためにはせ参じました。…これを

与一郎は包みを見せ、紫色の風呂敷を解き、中身を二人に見せました。

「母上からお持ちするようにと頼まれました。お寧々様からも」

それを見て、また涙を流す小一郎。

秀吉も涙を流します。

それは信長からいただいた草履でした。

それぞれ片方を手に取り、信長から言われた言葉を思い出します。


〜回想〜

信長「草履は片方では何の役に立たん。互いに大事にせい。」

秀吉「この木下藤吉郎秀吉、信長様の草履、家宝にいたしまする」

小一郎「いたしまする!」

二人とも深く頭を下げました。

(二人ともまだ青年の頃。昔は秀吉は侍だけど下っ端で、小一郎なんてまだ農民だったよね照れ。)

「これは…わしらの家宝じゃ…」

秀吉は立ち上がり、小一郎に言います。

「出陣の支度を急がせよ!」

小一郎も立ち上がります。

「目指すは明智の首…上様の敵討ちじゃ!」

「はーっ」


今回は本能寺での出来事から、ほんの数日の出来事なんですよね…。

その間、真実を秀吉に隠して頑張っていた小一郎…。精神的にも肉体的にも限界が来てしまったね無気力…。

最後、涙を流して秀吉に謝る小一郎…。

その泣き方が何か幼い子供のようだった。

小一郎の立場なら、寺の火事も、森乱が息を引き取ったのも見たわけだから、かなりのショックを受けただろうし、悲しくてすぐに泣きたかっただろう…悲しい

でも、自分は明智から追われる立場となり、身を隠したり、周りに根回ししたりと、それどころではなかった。

本当の感情が出せるのは、兄者の前だけ。

兄者と再会したことで、抑えていた感情があふれ出した。

それは秀吉もそうですね。

上様はもうこの世にいないのかもしれないと少し思っていたと思う。

だけど信じたくない!!現に殿様の亡骸はない!どこかで生きているはず…。そう思いたい!

だけど。泣く小一郎の姿を見てたら、その気持ちは簡単に揺らぐ。

それが真実なのかと、思い知らされる。

これまで上様に尽くすことが、秀吉の幸せであったから…。これからどう生きていけばいいのか…と。


そこに。信長からもらった草履が!!

二人は上様の遺志を継ぐ!!そのために上様の敵の明智光秀を討つという決意をした。

細川氏が明智に協力しなかったのは、羽柴秀吉の軍勢の大きさ、そしてその秀吉を支える小一郎の賢さに驚愕し、敵にすると怖い人物だと思ったのではないでしょうか?


徳川家康は、本当に一見、何考えてるか分かんない感じですよね〜笑い泣き。だけど策略家です。やはりタヌキだ!!

松下洸平さんの家康、嫌いではない(笑)。

次回はいよいよ、秀吉は明智光秀と対峙することになりますね。

次回もよろしくお願いします。