先日観た映画「ミリオンダラー・アーム」の感想。


野球未開の地、インドで名選手を発掘し、メジャーリーグへ送り込もうとしたスポーツ・エージェントの実話を映画化したヒューマンドラマ。文化も宗教も異なるアメリカで、野球に挑戦するインド人選手たちの姿が描かれる。実在のスポーツ・エージェントに扮するのはテレビドラマ「マッドメン」で人気を博したジョン・ハム。

少し昔の話だと思っていたら、ほんの数年前で、つい最近の話なんだ!未開の地や未体験のことに取り組むには勇気や人一倍努力がいります。誰もやったことのないことに挑戦していく男たちのドラマ。スポーツ・エージェントの主人公が、人口12億人のインドに目を付けたっていうのはありそうでなかったこと。ミリオンダラー・アームという投球コンテストをインドで開催したのも凄いけど、それに優勝したのが、当初予想していたクリケットの選手じゃなかったのも凄い!インドとアメリカでは、歴史も文化も、言語も宗教も食べ物も風俗も、何もかも違う。初めて取り組む野球というスポーツだけでなく、故国とはまるで違うアメリカとのカルチャーギャップまでも乗り越えていかなければなりません。本作品では、メジャーリーガーを目指すインドの若者たちの成長ドラマであるのと同時に、当初はビジネスとして取り組んでいた主人公の人間としての成長も描かれていてじんわり感動します。最後に実際の映像が使われていますが、映画の流れにもマッチしていて、決定的な場面
だっただけに、より印象深いラストシーンでした。

夢や希望から縁遠い生活を送っていた青年たちが、プロ野球を自分の夢にして、日々努力するって良いね。重圧に押しつぶされそうになりながらも、自分や家族のために必死に努力を続ける。突拍子もないことでも、一歩踏み出したことがきっかけとなって、そこから夢を実現させることが出来るかもしれない。そんな素敵な想いを抱かせてくれます。夢の実現には楽しむ姿勢が必要不可欠!夢を追い掛ける全ての人に希望を与えてくれる、爽やかに泣けて気持ちが晴れ晴れする作品でした。
先日観た映画「悪童日記」の感想。


ハンガリー出身の作家アゴタ・クリストフによるベストセラー小説を映画化した人間ドラマ。第二次世界大戦下、農園を営む意地悪な祖母の元へ疎開した双子の兄弟が体験する出来事を彼らの目を通して描き出す。映像化不可能と言われていた本作を監督したのは、原作者と同郷のヤーノシュ・サース。

研ぎ澄まされた、張り詰めた双子の主人公たちの表情が美しい。微妙な心理描写はいつまでも胸に残ります。切ない戦争体験。戦争に翻弄され、母親の愛をあえて拒絶し、二人だから乗り切れてきたのに…

終始緊張感たっぷりで、爽やかにスカッと彼らのポジティブな悪行ぶりを切り取っていく辺りが怖かった。無表情で何を考えているか分からないところがまた怖かった。父親の背中を文字通り踏み越えて進む先には何が待っているのか。それを見届けたあとには何が残るのだろうか。受け入れ難い現実を克服するには、あえて残酷なことを成し遂げていくしかないのか…。考えさせられました。