先日観た映画「ローマ環状線、めぐりゆく人生たち」の感想。


ローマを囲む環状高速道路GRA周辺に暮らす人々の姿を追ったドキュメンタリー。害虫対策に没頭する植物学者や休む間もなく市内を駆け廻る救急隊員など、大都市の片隅で生きる名もなき人々の姿を、時に叙情的に時にユーモラスに独自の目線で描き出す。ドキュメンタリー映画として初めてヴェネチア国際映画祭金獅子賞を受賞。

一人一人について説明やモノローグがないため観た人が想像力を働かせて何かを感じなければいけません。何を感じるかは自由で正解もありません。自由であるため何も考えず、受け取れなかった人にとっては退屈な時間になると思います。人の営みの記録が記録に留まらず映画になる瞬間。
ドキュメンタリーとしては王道かもしれませんが、人々の生活が淡々と描かれているだけでそれぞれがリンクして正確に何かを指し示している訳でもないので前評判に期待していくとちょっと裏切られた気持ちになるかも…

普通の人々のかけがえのない人生をドキュメンタリーで事実を淡々と追いかける。映画はついに劇的なフィクションを必要とすることなくただそこに生きる。この映画、他のどんな映画にも似ていないことがとても映画的でした。