「四月大歌舞伎」にご招待いただき、お友達の木元ゆうこちゃんを誘って歌舞伎座に観に行ってきました。

桟敷(さじき)席で観劇させてもらい、幕間に美味しいお弁当までご用意してくださって、ホンマに贅沢な時間を過ごさせていただきました。




私が観たのはお昼の部。

3部構成で、演目は

(一)双蝶々曲輪日記(ふたつ ちょうちょう くるわ にっき)

(二)七福神

(三)夏祭浪花鑑(なつまつり なにわ かがみ)



七福神の舞踏は、それはそれは華やかで、

観ているだけでおめでたい気持ちになって、「福」が客席にも舞って飛んで来る感じがしました。


今回、なんといっても強烈なインパクトがあったのは、3幕目の片岡愛之助さん主演の「夏祭浪花鑑」。

いや〜愛之助さん、渾身の演技でした。

夏祭の宵宮におこった惨劇。愛之助さんが演じる堺の魚売りの団七は、義父の執拗なイジメと挑発に怒りを募らせ、辛抱たまらなくなって最後は手にかけてしまう。

この〝泥場〟と呼ばれる舅殺しの場面が、このお話の最大の見せ場になっています。

祭り囃子が響く暗闇の中、団七がどんどんパニック状態に陥っていく様子が、着物の乱れと髪の乱れで表現されていました。


最後はざんばら髪に、赤い褌(ふんどし)一丁、体に彫られた青い刺青を光らせながら立ち廻り、

『悪い人でも舅は親、許してくだんせ!』と言いながら大見得を切る団七・愛之助さんに客席からは拍手の嵐👏。


実は私、今回はあえて下勉強をせず、イヤホンを借りて解説を聞きながら楽しみました。大まかなあらすじや、見せ場や決めゼリフなど、分かりやすく説明してくれるので、歌舞伎が初めての人でも、下勉強をしていかなくても、十分に楽しめるようになっています。外国人さん用に英語のイヤホンガイドもあるそうですよ。


そしてこの「夏祭浪花鑑」、物語の前半はコミカルなシーンもあってクスクス笑っていたりしたんです。

でもまさか後半ががこんな強烈な怖い話になるとは…💦。

私はドラマでも、映画でも、暴力や殺人のシーンはすごく苦手で、そこだけ顔を背けてしまったりするタイプ。

なので『えー?こんな展開?』と半分ショックを受けながら観てたんだけど、なぜか目が離せませんでした。

凄惨なシーンなのにどこか美しい、というか、どこかエロチック…というか。

所作がゆっくりで、精神性に焦点を当ててるからなのかなぁ。

実際、歌舞伎では〝殺しの美学〟という言葉もあるそうで、殺人さえも美しく魅せてしまう歌舞伎…やはり日本が誇る伝統芸能ですね。

愛之助さん、この演目では二役演じられていて、ナント一つは女方。

すごい役者さんだなぁとあらためて思いました。藤原紀香さんは会場のどこかにいらっしゃったのかなぁ☺️。