前回の投稿で少しふれた、
ロス暴動に巻き込まれた時のお話、
今回はその時のことちょっと話しますね。
いやホンマ、
ありえない嘘みたいな話なんよ〜。
ちなみに、ロスからの帰国後、
成田空港で恐怖体験を語った時の
ワイドショーの画像がこれです↓
まず、なんでロサンゼルスに居たのか…を
お話しします。
あれは、のちに恋人?と噂になった美川憲一さんと
ラスベガスに遊びに行った時のこと。
成田を旅立つ時の美川さんと私の写真が
どこからか撮られていて、フライデーに
『お忍び、婚前旅行?』
というタイトルで出ちゃったんですが、
覚えている方いるかなぁ?
本人たちはモチロン、
そして世の中のほとんどの方が
んなワケないやろっ!
と、ツッコンだニュースでしたが(≧∀≦)、
時おり、『ホントに結婚するの?』と、
真顔で聞いてきた人もいたので
(マンションの大家さんと、両親はマジで心配していました)、
否定に奔走する日々がしばらく続きました。
ワイドショーって影響大きいね。
ホンマ罪やわ〜(笑)。
美川さんとは当時、
『美川と千絵の白昼堂々!』というラジオ(TBS)をやってたんですが、
そのラジオの収録のお休み期間に、
美川さんがお友達とラスベガスに遊びに行くことになり、
『千絵も一緒に行こうよ。アンタも本場のショーを観といた方がいいわよ』
と、誘ってくれたのが、婚前旅行のきっかけでした。
だから婚前違うって!一人ボケ、ツッコミ(笑)
実は私、その時、赤坂コルドンブルーでの初めてのレビューショーを控えていたんです。
だから『本物のショーを見て勉強なさい!』ということで、歌手の先輩である美川さんは誘ってくれたんですね。
本当に優しい〜姉貴、
いや、兄貴のような存在デス。
で、いざ着いたラスベガスでは、
美川さんの知り合いのホテルに宿泊し、
毎日、一緒にショーや、カジノや、ショッピングを楽しみました。
1週間後くらいだったかな? スケジュールの都合で、美川さんより一足先に私が日本へ帰ろうとした時に、
まさに、あのロス暴動に巻き込まれてしまった!というわけなんです!
一部の地域で暴動が起こっていたことは、
現地のニュースで観ていたけど、
ラスベガスでは、誰しもアメリカの一地域の出来事…と、わりと他人事だったんですよね。
それが本当にあっという間に大きく広がって、
まさか、私のような旅行客も巻き込まれることになろうとは…!
ここからが嘘のような本当の話で…。
まず、
ラスベガスからロスへの国内便が飛ばないっ…😥!
ロサンゼルス空港が一時、閉鎖されてしまったからなんです。
日本で生放送を控えていた私が、
『どうしよう…番組穴あけちゃう…』
と困り果てていたら、
泊まっていたホテルの経営陣の方々(美川さんのお友達)が
ナント!ロスの空港まで専用セスナを出してくれました。
えっ?専用機?すごっ! って、
もちろん、私の為ではありませんよー。
誰かVIPの方をロスまで迎えに行く為に、ホテル所有の飛行機を出すらしく、
『ついでだから千絵ちゃんも乗っていきなさい』と言ってくれたんです。
なんとラッキー!
てなわけで、
その誰だか分からないVIPさんのおこぼれをあずかって、
専用機に乗り込んだ私。
(余談ですが、飛行機の中、すごかった!
体が沈み込むようなクリーム色の豪華ソファに座り、ロブスターも食べた〜!)
誰やねん、こんな飛行機で迎えに来てもらえるVIPって?
『誰?誰なん?』としつこく聞き出しましたが、
『それは…ちょっと…』
と言葉を濁して教えてもらえませんでした。
スターか…? 政治家か…?
で、ロサンゼルス空港はやはり閉鎖で降りれず、
ロス北部にあるバーバンク空港(現在のボブ・ホープ空港)という、
こじんまりした空港の許可を受け、臨時着陸しました。
そこから車で国際空港に向かうという計画。
その専用飛行機でバーバンクに着陸した時、
ちょっとあり得ない事があったんよー。
空港の職員の方たちに
『誰かVIPが到着したのか!』と勘違いされてしまったみたい…。
なんと飛行機から到着ロビーまでの間、
赤い絨毯(レッドカーペット)
が敷かれたではありませんか!
『ちゃうちゃう! 私VIPちゃう!』
『ついでの者やねん〜』
冷や汗をかきながらタラップを降りた私。
ノーメイクで汚いGパン姿の私を、
空港の方たちは
『誰やねんコイツ???』と不思議そうに眺めていました😅。
さて、ここからが恐怖体験の始まり〜💦。
用意してくださった車で、
バーバンク空港から国際空港に向けて高速に乗ったら、
これまた大渋滞でまったく動かず…。
仕方なく、一般道に降りたのがマズかった…。
そこには
かつて見たこともない光景がっ!
あちらこちらに火が上がり、
店舗のガラスは破られ、破壊、略奪が当たり前のように行われいました。
自分の店を守るためなのか、一般の市民の方も銃を片手に応酬していて、
街のあちこちにパーン!パーン!という
乾いた銃声が飛び交っていました。
運転手の方が必死で私に言うんです。
『撃たれるから頭を下げろ!』
『この車は間違いなく標的になるから!』
って。
『えー!標的って…』
そう、私は謎のVIPさんのために用意された車、
リムジンに乗っていたんです。
全然ラッキーと違うかったや〜ん(>_<)。
私は後部座席で、次々に響いてくる銃声に頭を屈めながらも、
車の外で繰り広げられる緊迫した光景を、
まるで映画でも観ているような気持ちで
観ていました。
結局、日本行きの飛行機は飛ばず、
日本での仕事もお詫びしてキャンセルし、
私はロサンゼルス空港の近くで、なんとかやっと泊まれるホテルを見つけて、
しばらく滞在することにしました。
街は何が起きてもおかしくない状況になっていたので、
お部屋のドアの内側に、万が一、突き破られた時のために、
椅子やテーブルを衝立のように重ね、少しの物音にもビビリまくり、ブルブルと震えながら過ごしていました。
絶対にここから出ないぞー!
でも悲しかな…胃袋は正直なんですよね。
どうしてもお腹が空いて辛抱たまらなくなり、
恐々ながらホテルのレストランに行きました。
ロビー横のレストランでも、やはり暴動のニュースがTVで流れていて…。
一番印象に残っているのは、
私たちの給仕をしてくれた黒人のウェイターさんのこと。
ホントに申し訳ないんだけど、
このような状況の中だったので、最初はちょっと怖かったんです。
でも、そのウェイターさんと接してすぐに、
怖がってしまったことを反省することになりました。
彼は仲間の店員さん(白人の人たち)とも、
時おり冗談でも言い合ってるのか、ゲラゲラ笑いあったり、よく学生同士がやるように突っつきあったりして、すごく仲良さそうに話していました。
彼は仕事ぶりも真面目で、気遣いも半端なく、
こちらが何も言わなくてもタバスコを笑顔で持って来てくれたり、
『他に必要なモノはないですか?』
『味はOK?』と聞きに来てくれたり☺️。
彼の愛敬のある眼差しと立ち居振る舞いから、
お茶目な人柄がヒシヒシと伝わって来ました。
私は彼のおかげで、それまでの緊張が一気に緩みました。
でも時々、悲しそうな目でTVのニュースを観ていたのが、なんだか悲しくなっちゃった。
同胞が起こしていた暴動(結局、他の人種の方も多数いたけど)を
どんな気持ちで観ていたのかな…?
暴動のニュースなんかを観ていたら、
いかにも白人社会VS黒人社会という風に見えていけど、すべての人がそうではないんですね。
少なくともそこにいたウェイターさんたちに、そんな壁は無さそうだった。
そして、私もこの先、肌の色や生まれた場所、バックグラウンドなどで壁を作ったりせず、人間と人間として接していこう!と誓った瞬間でした。
今回、アメリカ各地で起きている暴動に対して、
理不尽な警官による暴行でお兄さんを亡くした弟さんが、
『こんな破壊的なやり方を兄は望んでいない』
『平和的に声をあげてほしい』と言っていたのがすごく胸に残りました。
ホントそうですよね。
せっかくの訴えも、破壊行為で間違った伝わり方をしてしまうのは
本当に残念だなぁと思います。
てなワケで、久しぶりにロス暴動のことを思い出したので、
綴ってみました〜。
長々と読んでくださりありがとうございました!
本当に、嘘のようなことが時々起きるのが人生。
特に若い頃の私はナンデだか、
『ネタの神様がわざと私に何か起こしてる?』
と思うくらいハプニングに巻き込まれてたな。
おかげでネタに困らんかったけど…。
最近ではネタの神様も離れてくれたのか、
おかげさまですっかり平穏に、
おだやか〜に暮らしております。
嬉しいような〜寂しいような〜