長期入院が始まって、私たち親子が最初にぶつかった大きな壁は「食事」でした。
息子は入院前からもともと食が細く、偏食もありました。
病院食が始まってもなかなか食べてくれず、「どうしたら食べてくれるんだろう」と毎日悩んでいました。
ごはんが硬いのが嫌だと言うので、水を少し足してレンジで柔らかくしてみたり、軟飯に変更してもらったり、うどんに変えてもらったり。
少しでも食べられる方法を探して、たくさん試しました。
でも次第に、食事の蓋を開けることすら嫌がるようになってしまいました。
栄養士さんにも相談し、カロリーが摂れる飲み物やゼリー、栄養補助食品などもつけてもらいました。
「これなら食べられるかも!」
そう思ったものでも、一口食べたら終わり。
次の日にはもう口にしてくれない。
そんなことの繰り返しでした。
食べてくれないことが続くと、私もどんどん焦るようになりました。
「食べないと薬が効きすぎてしまうかもしれない」
「肌トラブルが治らないのも栄養が足りていないからかもしれない」
そんな不安ばかりが頭をよぎり、息子にイライラしてしまうこともありました。
もちろん息子だって好きで食べないわけじゃない。
それは分かっているのに、どうしても気持ちに余裕がなくなってしまう日もありました。
そのたびに栄養士さんへ相談し、一緒に方法を考えてもらいました。
色々な工夫を続けましたが、なかなか体重は増えませんでした。
そして入院から半年ほど経った頃、経管栄養を始めることになりました。
最初は息子も嫌がりました。
栄養剤の匂いが苦手だったり、チューブの違和感があったり。
親としても複雑な気持ちがありました。
でも経管栄養を始めてから、少しずつ変化が見えてきました。
なかなか改善しなかった肌トラブルが良くなり、増えなかった体重も少しずつ増えていきました。
息子にとっても、必要な選択だったんだなと思えるようになりました。
ふりかけを混ぜたり、お弁当箱にいれてみたり
私も同じ病院食を頼み一緒に食べてみたり
お兄ちゃんを呼んで兄弟でご飯を食べたり、栄養士さんによる食育のお勉強したり…
長期入院をしているお子さんのいるご家族なら、一度は食事の問題にぶつかるのではないかと思います。
私自身、どうしたらいいのか分からず、夜中にひとりで泣いたこともありました。
「食べてくれない」
たったそれだけの言葉では表せないくらい、親にとっては苦しい問題でした。
だから今、同じことで悩んでいるご家族に伝えたいです。
食べられないのは、お父さんやお母さんの頑張りが足りないからではありません。
ひとりで抱え込まずに、栄養士さんや先生、看護師さんをたくさん頼ってください。
私たち親子も、本当にたくさんの方に支えてもらいました。
そして今もなお、息子のために色々なアイデアを考え続けてくださる栄養士さんには感謝しかありません。
この経験が、どこかで同じように悩んでいるご家族の心を少しでも軽くできたら嬉しいです。



