
七月十五日に十方の聖僧をあつめて百味飲食(おんじき)をととのへて母の苦をは救うべし
日蓮聖人、盂蘭盆御書のお言葉です。
お釈迦様の弟子目連尊者が、餓鬼道に落ちている亡き母を救うため、お釈迦様の教えを伝え弘めるお坊さま方にご馳走の施しをなされ、母を救ったのが盂蘭盆です。
その百味の飲食(ひゃくみのおんじき)とは、数多くの、この上なく贅沢で美味しい食べ物や飲み物という意味です。
そして聖人が教えているのは、単に「豪華なごちそうを用意すれば救われる」ということではありません。
餓鬼道に堕ちた母親(青提女)は、生前に(慳貪けんどん)物惜しみの罪、つまり、自分たちだけが美味しいものを食べ、他人や修行僧への施しを一切拒んだ罪によって苦しんでいました。
お釈迦様が「百味の飲食を整えて十方の僧に供養せよ」と教えたのは、母親の代わりに目連尊者が「自利の心を捨てて、他者へ深く施す(利他)」という功徳を積むことで、初めてその功徳が母親へと回向され、救われるからに他なりません。
日蓮聖人はこの説話を通して、親を想う真心から発する「供養の功徳」の尊さを私たちに教え示されています。