


もっと欲しい
損したくない
そんな風に自分の心がいっぱいでいると、なんだか毎日が窮屈になります。
お釈迦さまは、人の苦しみの原因はこうした「欲への執着」にあると教えてくれました。
そんな心を自由にする修行、これが「布施行(ふせぎょう)」です。
見返りを求めずに自分の持っているものを人に分け与えること。
お金やモノでなくても、優しい笑顔や温かい言葉をかけるだけで立派な布施になるのです。
日蓮聖人は「人に物をほどこせば我が身のたすけとなる」という言葉を残されました。
誰かのためにした行動は、巡り巡って必ず自分を助け、心を豊かにしてくれるという意味です。
人のために生きることが、自分の最高の喜びになる、これを自利利他(じりりた)と言います。
まずはいろんなことに感謝していきましょう。なんでもよいのです。
いつも笑顔や「ありがとう」と身近なところから優しさの布施を差し出してみませんか?
巡り巡って、私自身の心を一番に満たしてくれるはずです。

富を持つことと、富に支配されることの違いを知ることは大切です。
仏教において「苦」の原因とされるのは、ものに対する執着です。
「もっと、もっと」という終わりのない渇愛になると、心は常に飢え、平安を失います。
足るを知り、何のために資産を築くのかという「目的」を明確にすることは、自身が平静でいる為に必要です。
仏教では、因縁生起(いんねんしょうき)といって、すべては繋がっていると考えます。
世界の複雑な経済網、技術革新、他者の労働、あるいは自然環境など、計り知れない「縁」によって支えられている現代社会、昨今の株価上昇にも一喜一憂せず、利益が出た際にも独りよがりな傲慢さを防いで、「おかげさまで」という謙虚な心が大事でしょう。
世の中の変化を客観的に見つめながらも、自分の心の軸をしっかりと持ち、富を道具として正しく活用することが、豊かな時代を豊かに生き抜くための鍵かもしれません。