南紀の自然の豊かさ美しさと、容赦ない荒々しさを感じさせてくれるクリーキング。水量的には上限近いか?全ての区間で、前回よりもひとクラス上がっている。 下瀬橋(西川)1.46m 七川ダム流入42.4-50.2t
豪雨エリアを避け、紀伊半島の南端古座川アッパーに狙いをつけた。周参見から山中に入っていく道すがらの周参見川、佐村川は前回のような水量がなく、古座川の水量を心配したが、着いてみると水は多く、薄く茶色が入って、水位は前回よりも30センチばかり多い。
コースは前回と全く同じ設定。核心部手前で切り上げる可能性を残してプットインする。
前半は浅いゴルジュと里の風景が交錯する癒しのホワイトウォーター、のはずが、流勢は強く、クラスが一段階アップ。早いテンポで展開する瀬をこなす。
あっという間に核心部手前のポイントに着く。ここで協議の結果核心部は最悪ポーテージも辞さない覚悟で続行を決定。
核心部は、この水量では大きく二つに分かれ、それぞれで完全なスカウティングが可能である。
上段は、2メートルほどのドロップが、強いキーパーホールとなっている。水を被った岩の先端からブーフするも、ホールに引き込まれそうになり、必死のパドリングで脱した。後続は、そのラインを避け、強烈だが抜けている流れを選んでクリア。他にチキンルートとして、左ベタの狭いドロップが通れる状態だった。このドロップをクリアしてしまえば、流れは激しいが、ルートは明白で、下段の手前のエディまでは問題はない。
下段は、中程に2メートルほどのドロップがある。下に岩が頭を出していて、流れの大半がその左側を流れるが、浅いため、沈してそこに行ってしまうと、ボートが引っ掛かりそうで危険。ドロップ右側は、キーパーホールなので、それを避けた上で、センターから跳んで岩の右側を通過するルートを選択。ホールを嫌って右に向かうパドリングが弱いと、思ったよりも強い流れに押され、岩に押し付けられそうになる。バックアップに入っており、最後に下ったため、先行者のラインを参考にして完璧にクリア。
結局、核心部は2つのドロップをどうクリアするかに集約されており、見た目ほどの険悪さは無かったが、下って振り返ると、見上げるような落差がある。
むしろ、ここから後半の廊下までの間にある3つのドロップが、落差、パワーともに大きく、緊張を要する。できるところはスカウティングして、確実にこなしていく。
それが終わると終盤にあるのが悦楽の廊下区間。狭いゴルジュの中を、早い流れと瀬が若干うんざりするくらい贅沢にも続き、テイクアウトまで運んでくれる。
川幅一杯のホールなど警戒していたが、捕まるような強烈なものはなく、スムーズに廊下を通り抜けた。
[当日のデータ]
水量:下瀬橋(西川)1.46m 七川ダム流入42.4-50.2t
プットイン:松根(大屋谷~杉谷間)
テイクアウト:下露(ささゆりホーム付近)
距離:10.9km
高低差:130m
ボート:クリークボート
グレード:4級
時間:3時間