大水害以降、川相も変わって、往時の記憶も薄い中での久々の宮川上流部。深いゴルジュのプチクリークに絶景ツーリングと、認識を覆すものだった。 三瀬谷ダム流入8.8t
現地に入るも、水位の見当がつきかね、テイクアウト想定地点から川を見ながら上流へ向かう。
予定していたコースの中ほど、南の滝(ウォータースライダー)が宮川上流部の核心。滝の真横まで降りて偵察するが水量不足で、スライダーも本流も下れない状態。さらに上流の神滝は、ドロップが密度高く見える。
降下可能と見たが、入川道が見出だせず、さらに上流まで向かう。しかし、ここから上流は水深が不足。一応、当初想定の清流茶屋まで足を伸ばしたが、とても快適に下れる水深は無い。
諸々勘案して、南の滝の入川道からプットインすることとした。とにかくこの川は、渓谷が深すぎて入川ポイントがほとんどないので、コース設定が難しい。ここでトラブルとなると、対処は困難を極めるだろう。
南の滝は、この川としては桁外れに大きな落ち込みだ。左岸側傍流が岩盤が削られ、樋のようになっており、ウォータースライダーとして往時はカヤッカーに知られていた。この日の水量ではスライダーに水が流れておらず、しかし本流はリスクが高すぎるため、滝の上流を左岸にフェリーし、スライダーを歩いて降りて漕ぎだす。
南の滝をポーテージしても、そこから約2kmはドロップがいくつも続く。スカウティングと、場合によってはポーテージも必要なテクニカルな区間だ。
事実、今回は1ヶ所、狭いドロップに衝立のように岩が入ったドロップをポーテージ。
透明過ぎる水と続くドロップ。クリークといってもよいに渓相の狭く深いゴルジュ。以前の宮川上流部の認識を完全に覆すものだった。
約2kmのプチクリーク区間を過ぎても、深いゴルジュはテイクアウトまで続くが、ドロップはなくなり、2級程度の快適な瀬と早く流れる瀞場が続く。
外界と隔絶された狭いゴルジュに、人の手があまり入っていない自然な流れ。
時に巨大な流木が流れを妨げている箇所があり、これは場合によって非常に危険となるので、気を抜くことはできない。
ゴミが全くといってよいほど無い砂利の川床を、かなりのサイズに成長したマスの姿が数多く遊弋する。
後半はずっとツーリングコースのようなやさしい流れとなるが、水と景色の清さが飽きさせることなく、テイクアウトの(数少ない)スロープに到着した。
【当日のデータ】
水量:三瀬谷ダム流入8.8t
プットイン:南の滝下
テイクアウト:森林組合上流左岸スロープ
所要時間:2.5時間
距離:約7.7km
ボート:STARBOARD ASTRO STREAM(インフレータブルSUP)
グレード:3-