大水害で埋まった美しき大渓谷が復活、申し分ないクラス3ホワイトウォーターゲレンデとなった。核心部のウォータースライダーを十数年ぶりに降下。 三瀬谷ダム流入40t 宮川ダム放流0.5t
宮川ダム放水ゼロながら、2日続きの雨で三瀬谷ダム流入40tという十分な水量に。前回9tで水位不足で下れなかった前半区間の清流茶屋からスタート。
やや濁るが透明度は確保されている。流速が早く、出だしからウエーブが幾つも連なり、大きなドロップもあって、気持ちの良い瀬下りが続く。
赤い橋をふたつ過ぎて、ロックガーデンのような巨岩の重なりが現れると、そこが核心部の南の滝。近づきすぎないように手前左岸に上陸してスカウティング。
滝のメインパートの右2/3は、ゴロゴロと大岩が積み重なったところに水が被った極端な落ち込み。左1/3は、樋状に掘れ、微かに右にカーブしたウォータースライダーだ。ヒーロールートの右側は諦め、ウォータースライダーを狙う。
そこまでのアプローチがまた難題。右1/3は浅くて通れないので論外。真ん中は大きなポワオーバー、それと左の岩の間を漕ぎ抜ければ、ウォータースライダーの入り口に届きそうな気がしないでもないが、流れの大方は滝の右側へ落ちる。さらに、左の岩を回り込んだ流れが、大きく盛り上がっていて、カヤックがその壁を越えられない可能性が高い。アプローチで冒険することは諦めて、浅い左岸ベタのチキンルートからウォータースライダーへアクセスする。
カヤックに乗り込む。アプローチの浅い狭い流れを縫って、ウォータースライダーに入る。スライダーの中では左右から間断なく反射波が襲ってくるのを耐えて、漕ぎを入れて加速、ボトムのホールに突入すると、一旦潜ったカヤックがホールに弾かれて下流に飛び出す。
南の滝の下流から、1km以上に亘ってドロップができる続く、下って愉しい区間。
前回水量では、スカウティングやポーテージを余儀なくされたドロップも、この水量ならば快調に処理していく。
ゴルジュ地帯を過ぎると、少し穏やかにはなるが、コース最後半まで瀬が続く。流れを塞ぐように張り出した巨木の根など、注意すべき障害物もある。
コースを通して切り立った渓谷の中である。両岸の至るところから滝が降り注ぐ。人家は川の崖を上がった直ぐ脇にあるが、川からは切り離された暮らしぶりのようで、川へのアクセスルートは非常に限られる。
人里近いにも拘らず、人の営みから離れた深い渓谷と、下り応えのある瀬の数々。北山川に比肩する関西を代表するビッグキャニオンのパドリングゲレンデと言えるだろう。
【当日のデータ】
水量:三瀬谷ダム流入42.21-37.88t 宮川ダム放流0.5t
プットイン:清流茶屋
テイクアウト:森林組合上流左岸スロープ
所要時間:2.5時間
距離:約11km
ボート:Jackson Kayak 2Fun
グレード:3