《この素晴らしい現代に爆裂を!》
※この作品はこの素晴らしい世界に祝福をのパロディです
アニメ本編の1期までの設定を元に制作してます。
オリジナルのキャラや設定を含みます。
《あの傍迷惑な仲間達と再開を》
その2
…朝だ。
窓際のブラインドから俺の目元へ光が溢れ差し込まれ、外からスズメの囀りも微かに聞こえてくる。
「ふ、ふあぁぁ〜…あぁ」
身体を起こし軽く背を伸ばす。
伸ばした身体に少し開けた窓から流れてくる寒すぎず暑くもない非常に心地よい、まさに春一番と言える気持ちの良い風が横を通り過ぎる。
ベッドから立ち上がり居間へ向かう。
今日はとても清々しい1日に…
「アクア、ダメです!
トーストは1人一枚までですよ!
それにそれはカズマの分です!
ほらダクネスからもなんとか言ってください!」
「そうだぞアクア。
仮にも私達は今居候の身だ、少しは慎みを持たなければ…」
「だぁぁいじょうふよぉ。
いわなきゃバレないっふぇ。
…っん、あ、めぐみん。
そこの醤油取ってぇ〜。」
「っですから!?
目玉焼きも1人一皿までですよ?!」
「いいからいいからぁ。
それとわたしトーストはバターじゃなくてハチミツ派なんですけd痛っただだだだだぁぁあ?!」
…なるはずがなかった。
ドアを開けた先の懐かしくも忌々しい光景に呆れて何も言えなくなった。
とりあえず俺の分の目玉焼きを食べているクソ女の髪を引っ張る。
だめがみ
「…おい堕女髪、お前なに人の朝飯まで食ってんだよ」
「ちょっと髪引っ張んないでよ!?
昨日はお金を稼ぐために一日中″花鳥風月″をして疲れたからエネルギー補給が必要なのよ!
っていうか『堕女髪』はやめて!?
せめて、せめて元の『駄女神』に戻してよぉぉ!?」
っこいつ…図々しいにも程があるだろ?!
心配掛けて悪かったと下手に出てりゃ一晩経ったらこれか?!
つうか駄女神はいいのかよ?!
「あ、おはようございますカズマ。
私は止めたんですからね。
今カズマの分を焼き直してるので少し待ってて下さいね。」
「おはようカズマ。
昨夜は突然すまなかったな。」
「いいよ、気にすんな。
それよりダクネス、飯を食べたらベッド貸してやるから休んでろ」
ア ク ア
穀潰しが横にいるせいで忘れがちだったが、ダクネスはアクアの治療を受けたとは言え、魔王との戦いでかなりの血を流していた。
…にも関わらず昨日まで碌に休めていないのに無茶な方法で荒稼ぎもしてたんだ。
それでも心配を掛けまいと(半分興奮しながらも)笑顔を見せていたダクネスだったが、流石に顔色が少し悪くなっているのに気づかない俺ではない。
「わ、私はもう大丈夫だ…
それにカズマにばかり負担をかける訳には…」
「無理すんな。
んなんで悪果したらそれこそ負担になるよ。」
「そうですよ。
ダクネス、今は休んでいて下さい。」
「…すまない。」
ようやくわかってくれたのかダクネスは頷き笑いかけてくる。
…そしてそれと対象的なぜか不満気に顔を膨らましている奴がいた。
「ちょっとぉ〜、2人ともダクネスには甘いんじゃないのぉ?
わたしだって大変な目にあったんだから慰めてもらったり励ましてもらったり可愛がられたいんですけどぉ?!」
アクアが床に寝転がり手足をパタパタさせながら駄々をこねている。
こいつ、どこまで自分を堕とせば気がすむんだ…。
「喧しいわ!?
ダクネスはまだ体力が回復しきってないんだ!元気なお前と一緒にするな!?
そんなに甘やかされたいんなら早く仕事見つけて少しでも金を稼いでこい!!」
「むっ、…わかったわよ。
このままじゃわたしもヒキニートと同じ扱いを受けちゃうからね」
「殴るぞ?」
するとアクアは身体を起こして何かを閃いたかのように両手をッパン!っと叩く。
「そうだわ!
ねぇカズマ!カズマの行ってるアルバイトをわたしにも紹介してよ!
そうすれば仕事をいちいち探す必要も無くなるし、カズマが色々教えてくれたら仕事が捗るわ!?
一石二鳥よ!!」
「捗るか?!
お前が来たら何されるかわかったもんじゃない!?
なんか問題起こしてみろ?!
下手したら俺ごとクビにさせられるわ!
それに俺とお前との関係をどう説明すんだよ?!」
「なによ?!ケチッ!!
関係って、そりゃあ…恋人?☆ミ」
「顔面を 殴るぞ?」
舌をチョロッと出し精一杯の可愛さアピールを鬱陶しくしてくるアクアを他所に俺は焼けたトーストを囓る。
「…ってそう言えば、おいアクア。
お前『名前』どうするんだ?
これから見た目が日本人の奴に″アクア″って呼ぶわけにはいかないだろ?」
そう、堕ちて黒髪になったアクアは
容姿だけ見れば、容 姿 だ け 見 れ ば
普通の日本人だ。
流石に″アクア″と呼ぶと怪しまれるし最悪変人扱いを受けかねない。
…いや十分変人扱いしているが。
「あぁその事?
まぁ(元)女神であるわたしの神聖なる名前を変えるなんて些か不本意だけども、ちゃんと考えてあるわよ!!」
腰に手をかけ胸を張り自信満々に話し出す。
「わたしの日本での名前は…
めがみ あくあ
『 女神 水愛 』よ!!」
・ ・ ・
「…アクア、戸棚にポテチもあるから食べてもいいぞ」
「え?な、なに?」
「アクア…例えどんな呼ばれ方をされようと私はお前を絶対に見捨てたりしないからな…」
「ちょ、なに?!
なんで2人ともそんな可哀想な子を見る目で優しくするのよ?!」
俺とダクネスはアクアの肩をポンッと叩き甘やかし、励ましてから部屋を後にする。
部屋に残されたアクアにめぐみんが優しい目で微笑みかけに行く。
「アクア…」
「め、めぐみん…!」
「とても良い名前ですね?!
あぁいいなぁ!アクアが羨ましいです!?
私もアクアみたいなカッコいい名前が良かったですよ?!」
「ちょっと待って!?
めぐみんに名前を褒めてもらうのはなんか違う気がするんですけどぉぉぉ?!!」
《キラキラネーム》
それは一時期流行っていた漫画の影響で『神の裁きを避ける為に』と言う意味を込めて付けられたもの。
そして今ここに『元女神』である馬鹿は自らの名をそれにしていたのだ。
何て、何て皮肉な話なんだ…。
#3《あの傍迷惑な仲間達と再開を》
fin