《この素晴らしい現代に爆裂を!》


※この作品はこの素晴らしい世界に祝福をのパロディです
アニメ本編の1期までの設定を元に制作してます。
オリジナルのキャラや設定を含みます。




《この世知辛い世の中で就活を》
その2




「…これはどうだ?
いかにも《アイツ》らしいと思わないか?」

「何を言っているのですか、
私の決めたこちらの方がしっくりきますよ!」

「いや、断然こちらだな。
なぜならば私なら絶対に喜べるからな!」


部屋の中心で3人集まり会議を行っている。
それぞれの意見を交わし話をまとめようとしたその時、玄関先から誰かが帰ってくる足音が聞こえる。


「ただま〜、いや〜今日も疲れたわぁ〜
…って、みんな集まってなにしてんのよ?」


どこかへ出かけて帰ってきたアクアに俺達は会議の結果出した答えを各々答え出す


                              アクア
「よう、お帰り、『海象』
最近お前帰りが遅いな」

                              アクア
「お帰りなさい、『猟虎』
ご飯が出来てますので一緒に食べますよ。」

                   アクア
「お帰り、『海豚』
そうだぞ、帰りが遅いから心配したんだぞ」

「ちょっと?!
どうしてみんなしてわたしの名前を変えて呼ぶのよ?!
っていうかどれもこれも流石に『アクア』って読めないでしょ!?
しかもなんで海の動物限定なのよ?!」


※海象=セイウチ
   猟虎=ラッコ
   海豚=イルカ


「なんだ不満か?
                       アクア
ならこっちの『海馬』の方が良かったか?」

                                        アクア
「いいえ!断然こっちの『雙簪鯊』の方がカッコいいですよ!
これにすべきです!」

                                アクア
「いいや!こちらの『河豚』の方がいい!
可愛いと思わないか?!」

「だからなんで魚とか動物限定なのよ?!
カズマのはどういう意味よ?!
めぐみんのはただ単に字が難しいだけでしょ?!
ダクネスはただ『豚』って入れたいだけでしょう?!!
一体なんなのよぉぉぉ!!」


※海馬=トド
  雙簪鯊=シュモクザメ
  河豚=フグ


アクアが風呂に入っている間に俺たちは再び集まり会議を開く。


「…それにしても本当に最近アクアの帰りが遅いですね。
一体なにをしているんでしょうか?」

「さぁな、どうせ街中で宴会芸を披露してるかどっかの店で呑んだくれているんだろう。
ほっとけほっとけ」


シッシッ!と手を払うそぶりをするとダクネスが不安気な顔でこちらを見る。


「しかし、このまま働かずに…というわけにもいかないだろう。
それにもし万が一何かに巻き込まれでもしたら、
巻き込まれ…巻き込まれたい!///」

「心配すんのか興奮すんのかどっちかにしろ!
…いや、やっぱ興奮すんな」


ハァハァ息を荒くするダクネスに呆れているとめぐみんが横から俺の袖を引っ張ってくる。


「カズマ、しばらくの間アクアを監視してくれませんか?
私は学校がありますしダクネスも仕事があるので、頼めるのはカズマしかいません」

「は?!なんで俺なんだよ?!
俺だってバイトがあるわ!」

「だが日によって出勤時間が違うだろう?
見れる範囲でいいんだ、頼めるか?」

「いや、でもよ…」

「「カズマ…」」


二人はジッと俺を見つめてくる。
…女ってこういう時ホントズルいよな。


「・・・ったく、しょうがねぇなぁ」


その次の日からアクアの監視を任せられた。

○月○日:朝、ヨダレとヘソを出しいびきをかいて眠っている。
昨日も何をしてきたかわからないが疲れたためかこの日は夕方まで寝ていた、寝すぎだろ!

○月✖️日:昼、先日俺から金を借りて買ってきたギターを念入りにチューニングをしている。
その隣には楽譜らしき物が置かれていた。この前言っていた『芸と歌』ってのを本格的にやっていくみたいだ。

○月△日:夜、風呂に入り気持ちよさそうに鼻歌を歌っている。
アクアが身体を洗い出すと
『よし!これだ!』
とも言っていたので新曲でも出来たのだろうか?
その直後見つかってしまいお湯をぶっかけられ女3人にシバかれてしまう。
これは俺が悪い。

そして○月□日、今日は休日のため俺と一緒にめぐみんが付き添ってアクアの監視をする事になった。


「カズマ、その黒いメガネは何ですか?ちょっとカッコいいですね。」

「おい、サングラスって言え。
尾行するなら少しは変装しないとな。
…そう言うお前のその格好はどうにかならんのか?」

「何を言っているのですか?こちらの国ではこのような姿をして尾行するのが常識なのでしょう?
この前『てれび』で見ましたよ!」


めぐみんは茶色で前後にツバのあるキャップ、茶色の外套に緑の長丈のズボンと全身をこれでもかと言う程のシャーロックなにがしの様な探偵ファッションでポーズを決める。
…いや逆に目立つだろそれ。


「まぁいい、それよりアイツどこまで行くつもりなんだ?」


電車に乗って3駅程で降りてしばらく街を歩いているとアクアが見知らぬ建物に入っていく。


「…ここに入りましたね?何でしょうか?」


そこは収容人数500人前後のコンサートホールだった。
前に置かれた立て札には

【《Axcis》ライブ会場】

と書かれていた。


「らいぶ?」

「《Axcis》ねぇ…」


何だか嫌な予感がしたがせっかくここまで来たんだ。
俺とめぐみんは入ってみることにした。

受付の人に誘導され一番端の席に二人並んで座って周りを見渡すと会場は既に他の客で埋まっていた。
そして会場の明かりが消され奥から一人の人影が姿を現わす。


「皆んなぁぁ!今日もこの『Axcis』のライブに来てくれてありがとう!!」

「「「うぉぉぉぉぉぉ!」」」

「よーし!今日も楽しんでいってねぇ!
Are you ready?!」

「「「Yeaaaaaaaaaaah!」」」


そこには、『Axcis』と名乗るバンドのチームを率いたウチの堕女髪さんがマイクを片手に意気揚々と歌っていました。
路上ライブに留まらずコンサートホールを貸し切ってライブを開いていたとは…

「さぁこれからも『Axcis』の『女神 水愛』をよろしくね!!」

「「「ア・ク・ア!
           ア・ク・ア!
           ア・ク・ア!
           ア・ク・ア!」」」


「…帰りますか」

「…そうだな」


俺とめぐみんはそっと席を立ちコンサートホールを後にした。
もう何も心配することはない。
                                かみさま
お前はもう立派な『アイドル』だよ…。




#4《この世知辛い世の中で就活を》

fin