夕顔 | あいとゆうきのほんや(本屋)

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小さい頃に両親を亡くした明恵上人は
父母を慕うあまり、自然の万物に
その姿を重ねたといいます

飛ぶ鳥、跳ねる犬、名もなき小石
そこここに父と母がいる
父母を失ったことのない私は
寂しさの一端しかわかりませんが、
明恵上人のお傍に駆け寄りたくなります

今も昔も人間が抱く感情は変わらないけれど
感情を意識する頻度は下がっています

悲しいとき 私は悲しいと
寂しいとき 私は寂しいと
嬉しいとき 私は嬉しいと

同時進行的にできてしまうことが多いです
私はそれを否定しません
それが当たり前の世界に生まれたから
不都合を感じません

しかしこんな感情があることを知ると
それもまたたまらなく羨ましい気持ちになります

その寂しさはいかほどか
その切なさはいかほどか

同じ立場ではないから、
本当に理解はできない
ただ私も人を愛おしく想えるなら
同じやるせなさを抱えることはできるのです

どんな感情でもいい
欲張りな私はできるだけ多くの感情を知りたいです

書き味は辛口ですが
自分のものの味わい方を意識する、
きっかけを知る1冊です

夕顔

 

夕顔 (白洲正子)