とても心苦しい、そう思った。考える度に髪を掻き毟しりたい衝動を抑えなければいけない。
「あ~~~!ぁあぁ」
それでも口のコントロールができず、自分の口から大きいため息に似た声が出た。自分が絶望的に恥ずかしくなった時の声、を聞くと心の奥そこが締め付けられるように痛んだ。
先程から心の中で叫び声を上げていたが、ふと気がつくと今は、此までで一番冷めた気持ちになっている自分がいる。
“恵まれてはいない”そういって自分を卑下したくなる。
「朱乃、」
とんとんと肩を叩かれた。
もちろん、俺の名前は朱乃ではない。
振り返るとそこには、溝端が立っていた。楽しそうに口に笑みを浮かべてる。
「な、んだよ」疲れきった俺からは途切れ途切れな言葉しかでなかった。
「朱乃」もう一度その名前を口にだす。溝端はどうしても俺のことをチクチク刺したくてたまらないようだ。