中国の株価下落と景気 | 秋山のブログ

秋山のブログ

ブログの説明を入力します。

ニュースを見ていたら、もうすぐ中国の大型連休が始まるらしい。中国、連休と来れば日本での爆買いという話になるが、株が暴落しているところでどうなるのかと言った趣旨だった。バブル崩壊で酷い目にあった時に、株価が下落したという経験が日本ではあったため、どうしても景気の著しい悪化と結びつけてしまいがちであるが、株価の下落が何故景気の悪化に結びつくのかまでしっかり考えなければ間違いのもとである。私は約1ヶ月前の日経ビジネスの記事を思い出した。

『株暴落は歴史に学ばない中国』という表題をみれば、中国人民が愚かなことをしているという記事のように思うかもしれない。しかしそれは全く逆の話である。歴史をどれだけ学んでも暴落は予想できないと中国では考えられているので、中国人の多くは堅実な株取引をしているということだ。実質借金での株取引である信用取引をしている人間は、ほとんどいないと言う。
この時点で多くの中国人が得した分(評価上)を失っただけということも多少あるが、株の基本である余剰の資金で株をしているので、損をするレベルでもおおごとではない。彼らの消費活動にまるで変化がないのは、株で額面上儲けた分を勘違いして消費していたからではなくて、十分な賃金をもらっているところから消費しているからである。筆者から見て、同程度の仕事をしている場合日本人よりずっと多くもらっているらしい。

筆者はその賃金がまやかしであると指摘しているが、私はその件に関しては大いに疑問に思う。農村の貧困などの問題、腐敗の問題、貧富の差の問題等々、確かに中国経済には様々な問題もあるが、この記事に出て来る中国人は富裕層ではない。農村の犠牲の上に利益を得ているというのも勘違いだと思う。済んでいる地域がよい循環の中にあるというだけである。むしろ筆者の方が、日本のレントを貪られている状況が自然であると勘違いしているのではないのだろうか。

中国とそこから連鎖した全世界の株安は、大事としてニュース等で報道されていたが、所詮マネーゲームの結果に過ぎないことがこの記事でもわかるのではないだろうか。実体経済とのリンクは強くないのである。暴落のニュースを聞いて日本人の多くが考えたような結果には、とりあえずなりそうもない。
中国は日本のバブルを大いに研究していると聞く。お金とは、株とはバブルとは?我々も十分に正確に理解する必要があるだろう。