ヤホー知恵袋 | 秋山のブログ

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いろいろ分かりやすい解説の手法を試しとして、ヤフー知恵袋を真似た架空の質疑応答を使ってみようと思う。なお質問は架空のものだ。

Q
好 き放題してきた世代のために、社会保障費を払うなんて許せません。子供の世代のためにお金を使いたいです。経済的余裕があれば子どもももっとほしいし、食 費を切り詰めずにいい材料を使って料理を作ってやりたい。気軽に遊べる公園も減っている。食環境も住環境も悪くなり、子どもの健康が心配です。 バブル時代に、車とか酒とか女遊びとか、食べるに関係ないところに浪費していた世代を養うために社会補償費を払うなんて、悔しくて仕方がありません。
(一児の母)

A
バブル時代の人間が贅沢したために、国の財政が不足して現在の生活が苦しくなっているわけではありません。バブル期の人間は、自分自身が供給した範囲でしか消費していません。ただし、今現在このような社会の構造にしてしまったことに関しては若干の責任もあります。

こ のような状況になった原因は、投資家を優遇すれば皆が豊かになるということを言い出した政治家がいて、そのように制度が変更されたからです。富の分配で、 投資家の取り分が大きくなって、労働者の取り分が小さくなっても、全体が大きくなるから労働者も得をすると言われました。
しかし実際どうなったかと言えば、日本でも米国でも期待されていたよいことは何も起こりませんでした。

もう少し具体的にどうしてこのようなことになるか説明してみましょう。
特 に昨今の優遇された投資家に顕著な話ですが、投資家は使い切れないほどの莫大な利益を配当や利子から得ています。さらにはより多くのお金を保持することが 重要なので、極力お金を使わないようにする傾向にあり、その結果彼らが得た多くの部分は貯蓄に回されることになります。さて、投資家にしろ労働者にしろ手 にするお金というのは、生産物等が売れた結果です。ですから得たお金の多くの部分が消費するために使われないことになると、徐々に得られる収入も縮小して いくはずですよね。そうならないためにどんなことがおこっているのかと言えば、誰かが借金をして物を買っているのです。
一般の家庭は借金をする上 で制約が大きいため、収入の増減が消費できる量に大きくかかわってきます。誰かが借金して一般家庭の収入を増やしてやらない限りは、投資家への配分を増や す行為は、需要を大きく減らします。たとえより多く生産する能力があっても、生産しないという状況になります。当然余剰の人員が生れますので失業者増える ことになります。そして失業の増加は、労働者の給与を下げる方に働き、ますます配分が偏っていきます。悪循環です。(そのうち実際に生産する能力が下がることもあり、すぐに元にはもどりません)
その結果、家庭は今まで消費し ていたものを切り捨て始めました。子供を持つというのも切り捨てられたものの一つです。子供を持つコストの増大の要因には、教育の質に対する要求水準の上 昇という要素もありますが、少なくなったことで単価があがったという側面もあります。これも悪循環だと思います。
高度成長期の日本を見れば、専業 主婦の女性も多く、子供の数も多くいました。そして老人も養っていました。それでさらに貯金する余裕もありました。ところが現在では共働きでなければまと もに暮らせない上に、子供も持てず、貯金する余裕もないというありさまです。科学が進歩し、一人当りの生産性(お金ではなくてより多くの物を生産する意味 で)は増大しているはずなのにです。質の向上による生活コストの増大という要因はもちろんあるでしょうが、労働者の取り分が下がっていることが最大の原因 であり、人口減少や寿命の延長などは細部まで検討すれば全く根拠になりません。医療費の増大等も取り分が適正であれば、容易にまかなえるものです。
投資家と労働者の力関係は、以前も圧倒的に前者の方が強かったはずです。それでも上手くいっていたのは、それを調整する仕組みがあったからです。投資家が自分の取り分を多くした分を税金で取り上げて、一般家庭の医療費や教育費等々の補助にすることで適切な富の分配をおこなってきました。これが抑制されたので、一般家庭の厚生は下がりました。

このように投資家等の富裕層を優遇する政策こそが、現代の99%の人びとの生活の困窮の原因です。しかしながらこれが原因であることは上手く隠されています。その政治家は人々を説得するために経済学を利用しました。それ以外の経済学を教えることを政策として禁じ、自分に都合のよい理論を作り出す経済学者を支援したりもしました。間違った経済学は極めて巧妙に作られているため、それを見破ることは大変困難です。経済学を学んでいない一般の方では全く歯がたたないでしょう。一方、志を持って経済学を学ぶ方も、多くの場合嘘を信じこまされ誤りに気づきません。せめて政治家くらいは、異論を唱える経済学の異端派の言うことに耳を傾けてくれればよいのですが。原因が解消されるまでは、全世界的な不況は続くでしょう。逆にそれが解消されれば、子供も持てれば、社会保障費を払う余裕もできる世界が築けますよ。