利子率低下によるもう一つの経路 | 秋山のブログ

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塩沢教授によりご教授いただいた内容の一部を引用する。

『0金利あるいはマイナス2%金利で、需要が出てくる径路はいくつか考えられますが、重要なものは以下の3つでしょう。
①実質金利がさがることにより企業の投資需要が出てくる。
②低金利とインフレで消費者の時間選好が変わり、現在消費をより大きくする。
③低金利で借り出し、マネー・マーケットなど金融市場・資産市場に投入し、その結果の資産効果で、消費が増える。』

この3つがうまくいかないことに関しては、その後の解説に異論は全くない。(特に消費者の時間選好は全く信用していない)

私の指摘したい経路は別のものである。それは、内部留保をやめさせることによっての改善である。

何かを未来に生産するために企業は借金をする。借金は代金の上に上乗せされ返済される。借りては返すを繰り返して回っていくのが、経済であろう。ここで企業と家庭は、お金のストックに関して役割分担がなされているように思われる。貯める家庭と借りる企業である。
この分担が適切かどうかは、需要をおこすという視点で考えれば良い。消費者に貯金する余裕があれば、新しい何かを購入する確率はあがるであろう。ついでに付け加えるならば、お金にもともと余裕のある富裕層より、中下層が余裕を持つ方が需要に繋がるであろう。
企業が、例えば生産規模を拡大するためにさらなるお金が必要というならば、追加の融資を受けるのが筋であると思われる。利潤をそちらにまわすということは、企業の安全性を高めるし、金銭的に有利でもあるので、経営としては誤りではないが、労働者の富を、ヴァーチャルな富裕層に捧げる行為に他ならない。

企業が、借金を相殺するという方向で考えても、それは家庭の収入より支出が多くなって、家庭が貯蓄を減らすということに他ならない。新しい需要どころか景気がしぼむのも当たり前である。国が借金を増やしているから、何とか経済がまわっているとも言えるだろう。

もちろんこれだけで、内部留保が止まるわけではないが、他の政策と組み合わせて一助にはなるであろう。
(需要喚起のメインは、人件費を上げることと、人件費を上げそこなった分を税で回収することだろう)