ステグリッツ教授はかく語りき(GDP) | 秋山のブログ

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以前GDPの尺度としての不十分さを指摘したが、ステグリッツ教授も指摘している。

私が言及しなかったGDPの問題点のひとつは、一人当たりGDPは、平均であるために、少数の金持ちが富を増やし、多数の人間がより貧乏になっても、変わらなかったり、上がったりすることがありえるということだ。
P274
『一人当たりGDPが上昇していても、市民の生活水準は停滞するか、年々悪くなるということが起こりうる。それこそまさに、アメリカで進行してきた事態なのだ。』

あくまでお金で測るために実質との乖離があるというのもひとつ。例えば、募金を募って億を超えるお金を集めて米国でする移植手術は、臓器の提供さえあれば日本では保険による補助抜きで、どう高く見積もっても3分の1の費用でできる(移植する臓器を買うお金が高いわけではない)。質も劣るものでは決してない。しかしGDP上は3倍以上アメリカの方がよいものになってしまう。
P273
『たとえばアメリカは、寿命の点でも健康実績を示すほかのほぼすべての尺度の点でも、より不健康になっているのに出費は増えている。』

ステグリッツ教授は、GDPをよりよい指標に変えていく活動をしているようだ。その方針は正しいと思う。