先物の愚3 | 秋山のブログ

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またまた続き。今回も参考ページ。
Wiki先物取引日本に先物市場は必要か?コメ先物取引を活性化させるには  、Wikiブラック・ショールズ方程式

今回はおそらく一番多くの人が騙されていそうなリスクヘッジ機能に関して。

Wikiの記述をみてもらえば分るが、先物取引をおこなっていれば将来の収入なり支出は確定される。それはその通りであろう。ただし前回 書いたように、価格が安定して動かないことこそ生産者及び消費者の利益であり、リスクヘッジはまさにそのためにおこなっているものであるが、価格変動を是とする先物市場に参加することはそれとは正反対の矛盾した行為である。(先物市場の作用で価格が安定するという話は、盗人の中の良心を語るに等しいだろう)

Wikiには牧場と農場の例が出ている。
その話では、牧場は餌の『トウモロコシが1ブッシェルあたり3ドル以上になると赤字になる』。農場は生産物の『トウモロコシが1ブッシェルあたり2ドル以下になると赤字になる』ということになっている。そして先物市場での価格が2.5ドルのところともにその価格での売買を契約。トウモロコシの価格が4ドルになった場合と、1.5ドルになった場合のどちらの場合でも赤字にならないで済んだ(逆に大儲けもできなかった)という話だ。
この話を読んで気付かなければいけないことは、取引をおこなう時点の先物の価格がこのような都合のいいものになっているかということだ。先物を購入しようとした時点で4ドルだったらどうするのだろう。リスクを回避したい農場を探して個別契約する?下がってくることを信じて待つ?先物を買って損を確定させる(赤字になるからといって事業はそうそう止められないだろう)?結局、わざわざ先物市場の利用を是とすることはやはり全体的なものが見えていないということであろう。