字がよろよろ | みつはしちかこオフィシャルブログ「小さな恋のダイアリー」Powered by Ameba

 

長年つき合っている、元同僚のUさんがいる。彼女の手が震えるようになった。
たまに葉書きをくれるのだけど、段々よーく見なければわからないような字になってきた。私はよーく見入って判読するのだが、彼女は絵画教室の先生をしているので、大変だろうと思う。
それから「手が震えてもう手紙書けないから」と電話が入った。

私も大病を経て退院し、手が震えて字も絵も書けなくなっていた。
でも、まだ『小さな恋のものがたり』第42集が途中だった。病気ということでやめてしまってもよかったのだけど、まだ読者の方が大勢次巻を待っていてくれたので、なんとか続きを描かねば、という気持ちだった。
長年編集をしてくれている山崎さんも「大丈夫!描けるわよ」と励まし続けてくれたので、一生懸命字と絵を描くことを練習し続け、下手ながらなんとかマンガを描けるようになり、第42集を出すことができた。

その経験があるから「大丈夫、あなたも毎日一生懸命文字を書く練習をすれば、書けるようになるわ」
「下手だから手紙を書かないというのではなく、下手でもいいからセッセと手紙を書いて出すの」
「とにかく新聞紙にでも何でもいいじゃない。読めなくても書いて書いて書きまくるのよ。字から遠ざかっちゃダメよ」
と励まし続けたら、「そうね、毎日ね、練習してみるわ」と心細そうに答えた。彼女から手紙が来るのを待っている私。


そういえば、年をとると(70代後半くらいから)大抵の人の字がよろよろしてくる。字が大幅に傾いて、斜めになってしまう人もいる(中には昔と変わらない元気な字を書いてくる人もいるけど)。

私も若いときと違って、大病したこともあって、だいぶ絵も字も下手になっているが、手近な紙にセッセと字を書き続けよう。クロッキーノートに、チッチたちの絵を描き続けよう。
私の場合は仕事なのだから、鬼のようにがんばるのではなく、チッチたちが繰り広げる面白さを楽しみながら、一生懸命描き続けていきたいと思っている。