コタツで一句 | みつはしちかこオフィシャルブログ「小さな恋のダイアリー」Powered by Ameba

もう連載は終わってしまったのだが、『俳壇』という雑誌に最後の俳句とイラストを描いたときのこと。

 

どういう句で締めくくろうか、と気張ったら、なかなかいい句ができない。
「オ、ケッ作」と思う後から「なんという駄作」となるから、なかなかコレ!という句ができない。

 

そうだ、炬燵だ。ニッポンの冬はまず炬燵からはじまる!
でも私が今住んでいるところは、全部フローリングだからコタツはない。

 

はじめに「コタツが入った」というのか「コタツが出た」というのか悩む。
押し入れから出すのだから「出た」というのが正確なのかもしれないけれど、普通は「やっとコタツが入った」とか言うではないの。うーん。

 

高校生のチッチが北風に押されて家に帰ると、茶の間にコタツが入っている(…コタツが茶の間に勝手に入ってくるのか?)。
でもうれしいね、チッチ、とうとうコタツが入ったんだよ。なんだか冬というクールな季節もお楽しみな季節になってくるような…。

 

チッチはコートも脱がずにコタツに没入、台所からお母さんの声がする。
「服を着替えて、手を洗って、宿題して」とか、うるさいのう。今、なつかしいコタツと再会中だよ。
このコタツ布団の何だかわからない花模様、おばあちゃんの匂い……そこで一句。

 

初炬燵 先客があり ウチの猫
炬燵とは 魔物ずるずる 呑み込まれ
初炬燵 初顔合わせの 家族かな
コタツ守り 段々胴が 長くなり
 ――私が作ると川柳っぽいね。

 

もう午前1時過ぎ。よく眠らないと認知症になりやすい、とか今日読んだ雑誌に書いてあったことを思い出す。寝ます。

 

 

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