日本で最高齢という象のハナコに逢いにいってきました。
井の頭公園にある動物園、いましたいました。
彼女の巨体をみつけて、ほっと一安心。灰色の小山のようなハナコに駆け寄りました。
ハナコは立ったままじっとしていました。生きているという証拠のように時々、少しだけ鼻先を動かしたり、少しだけ後ろ足を持ち上げてみせてくれました。
象の庭を囲んでいる鉄柵に寄りかかりながら、しばらく動かないハナコを眺めていました。
ハナコは全身シワだらけでした。シワの中に小さな目があって…どこを見ているのかわからない、やさしそうな、でも哀しそうな目をしていました。
大きな体で長いことじっと立ち続けているのは辛いのではないかと、歩いたほうが楽なのではないかと心配しましたけど、ハナコはじっと立っているしかないというふうに立っていました。
ハナコはただそこにいるだけでハナコなのです。
しばらく眺めていて「又逢いにくるね」と心でいって、私は帰ってきました。帰ってきてから、ほんとに近いうちに又ハナコに逢いたいと思いました。
※はな子は、5月26日に69歳で亡くなりました。