ペンの話 | みつはしちかこオフィシャルブログ「小さな恋のダイアリー」Powered by Ameba

キンチョーするとうまくかけないんですよね、絵も字も。

それでもって、『小恋』第43集の絵はキンチョーして何度もまっくろけになるくらい下描きして、じりじりじりとマジックペンで描いたのですけど、ちゃんと描こうとすればするほど、なんだか歪んでしまう。バランスがとれないんですよ(大病の後遺症ですかね)。
ですから、第43集の絵はとても下手で、3年もお待たせしてしまった上にこの絵では、読者の方に申し訳ありませんです。

以前使っていたのは、ドイツ製(友だちがドイツに旅行した時、一箱買ってきたのを半分買った)のつけペンで、これがとても調子よく描けるので、それを使っていたのです。
延々と50年、それが1本でスゴーク長持ちして(10年くらい)、一生使って余りあるほど、まだ残っていたので安心していたのです。

同じ漫画家仲間の牧美也子さんは、一つのペンが1か月ももたないそうで、改めて自分のペンの威力にびっくりしました。ま、私の漫画はサッと軽く描くので、ペンが消耗しないのでしょうね。

でも、私の絵はサーッと書く(スピード感がある)のが特長だったので、それが描けないとなると、どーしよー!? ペンで描くと、インクが出てこない。
仕方なく、0.4ミリのマジックペンで描くことになりました(私は余り好きではない)。

まあ描くペンは決まったのですが、どーもバランスがとれないのですよ。
どーしてもチッチの顔(とくに頭とほっぺた)が丸くならないで、斜めになってしまう。ホワイト(修正液)を入れると、何度も修正するので、よけい変な具合の頭やほっぺになってしまう。

自ら修正の名人を名のる編集のSさんが隣りから、「どれ、貸してみんさい」と改めて修正してくれる。
でも私は修正されたくないので、ケント紙を裏返してみたり、もう一度えんぴつで下描きしてみたりと、苦労するわけです。

で、仕事は遅々として進まず、じりじりと描いていたら、「もう終わりよ」とSさん。エ~~!?
なんだか夢を見ているようなラストスパートでした(スンマヘン、第43集の絵が下手なことをクドクド言い訳しまして)。

……追伸。もう使わなくなった愛用の、なつかしいなつかしいペン先とぼろぼろにはげたペン軸に、改めて感謝します。

小さな恋のものがたり第43集/みつはしちかこ