初めての訪問。合羽橋通りの裏道にある。しかも昼のみの営業のようだから入店する機会が無かった。
全18席程の古くて小さなお店。ここも昭和が生きている。地元のオジサン達の昼事を担っているのだ。

天津丼」や「天津麺」は普通だが、他のラーメン類のCPが凄く高い。正に庶民的!
ホールはオバチャンが、調理場はオジチャンが一人で切り盛りしている。
決してのんきではないのであるが、お客の注文品をひとつひとつ作って出しているので、
自分の他に3人の先客しか居ないのに、料理提供までたっぷり20分待たされた。
多分、ガス台も1台しかないのだろう。今時にしては珍しいオペレーションである。そこも昭和だ!

天津丼」¥750也
表面に、焦げ目が少し見える天玉子。中央部の中身はとろっと仕上がっていた。
粘度の薄い醤油。若干の酸味が口の中に残り、今の暑い時期にはかえって爽やかな印象である。
玉子の中身は、椎茸の薄切りに多めの長ネギの身は皆無であった。ネギのシャリシャリ感が新鮮。
白飯の量は少なめ。古いタイプの「天津丼」だが、マテリアルや調理方には確かな技術が伺えた。。。

付属のスープは、珍しく白濁した「タンメン」のスープだった。
おそらく、自分の前の客のオーダーが「タンメン」だったので、そのスープを使用したのであろう。
天津丼」よりもかなり早くにスープだけが出て来たので間違いなさそうだ。。。
前客のオーダーが「ラーメン」だったら、普通の醤油スープが出たのだろうと思うと、一寸微笑ましい。

年配のご夫婦が二人で営まれている小さなお店。値段は今時珍しい昭和価格。店内も昭和のまま。
ひっそりと昼間だけ営業し、細々とやっている感じである。気さくなオバチャン。オジチャンの確かな腕。
自分は不覚にも未訪だったが、確実にご近所には貴重な存在である。
ずっ~っと永~く続けていってほしいお店である。。。



ココは浅草六区。遅めの昼食を何処で食べるかウロチョロ迷い歩いていて、ふと此方に気付く。
老舗であり、昭和的であり、いかにも大衆的な味と値段で地元民には知られた存在である。
正直、自分も此方の料理の味は遠い昔の記憶しかないが、美味しくて満足した覚えはない。。。
しかし、年代物(何故か撮影禁止!と告知してある)の食品サンプルの中に「天津麺」の姿を発見した!
あまり乗り気はしなかったが、覚悟を決めて入店した。

店内に入りメニュー表を見ると「天津麺」の表記が無い。どうやら食品サンプルのみが残っていたようだ。
でも、女将さんに聞けば出来るという。これ幸いとお願いした!「天津丼」は、無いみたいである。。。

店内は真っ赤! 椅子もテーブルも昔の中華屋の名残である。とにかく赤い。
面白いのが、箸入れと楊子入れにはそれぞれ箸や楊子が1~2本程度しか入っていなかったこと。
ケチなのか衛生上の問題か、その時の必要最低限の本数しか入れて置かないシステムのようである。
箸入れの内側にはビニール袋が入っていたので、多分衛生上の問題でそうしてあるのは間違いない。。。

天津麺」¥750也
この価格なのに、蟹身・小海老・などがふんだんに入った具だくさんな天卵であった! は無し。
具だくさんなので食感も楽しい。柔らか玉子の中にガッツリ具材が入っている。風味は極薄だけど。
スープは見るからに薄く濁った醤油スープ。出汁が薄くコクも無い。若干の酸味に違和感もある。。。
麺は市販レベル。中太縮れ麺であるが、茹で加減も柔らかめ。決して美味しくはない。
具材は豊富でも具材の風味が全く弱いので、終始コクの足りない醤油スープの味で食べ進むこととなる。

メニュー表にも無いことから、普段はまず注文される事のないであろう「天津麺」。
今回は無理矢理注文したようなものなので、調理に時間も掛かったし、出来上がりもイマイチであった。
でも、かなり昔には正式メニューにラインナップされていた筈の「天津麺」をこうして食す事が出来た。
全ては、ホコリをかぶって変色した年代物の食品サンプルが、自分を引き寄せ導いた結果である。
そうでも想わないと、完食後のこの不満足感は解消されない訳である。。。

こういうお店では、黙って「ラーメン」や「炒飯」等を喰って帰るものなんであろうが、
今回のこの「天津麺」で、きっと「ラーメン」のスープはコレ的なものなんだろうな・・・とか、
炒飯」の味付けや具材の香りや風味も、きっとこんな感じなんだろうな・・・と、かなり想像が出来る。
玉子の焼き方の腕だって「天卵」に現れる訳だし。だから自分は、初訪で「天津麺」を頼む事が多いのだ。。。



浅草は合羽橋付近の路地に佇む「大精軒」である。あの「大勝軒」とは全くの無関係。
お昼時は近所の常連さんが「日替わり定食」を食べに来る、出前の需要も多い地域密着店だ。
狭い店内。カウンター7席、テーブルに詰めて10人は座れる程度。でも、店内は清潔だ。

「天津丼」¥800也。
先ず、その具だくさんぶりに驚く。形が崩れぎみの天津卵だが、これだけ具材が入れば当たり前だ。
たっぷりの蟹の身の他、グリーンピース・人参・筍・インゲン・椎茸などが入っている。
どれも具材がデカいのだが、特に分厚く大きめに切られた椎茸がいくつも入っており、風味も濃厚。
餡は薄めの醤油味で、ちょいと酸味が残るタイプ。正直、見た目の印象よりは美味しくない。
餡の風味よりも、その肉厚な椎茸の味が濃厚なもんで、後味が全部椎茸風味に持って行かれてる。
その後に酸っぱい味が来るから、な~んかチョッと落ち着かない風味だ。独特な天津飯である。

その椎茸の風味も、いわゆる「旨味成分」であるグルタミン酸(グアニル酸)の味ではなく、
椎茸特有のチョッとエグ味が勝った風味。食感と共に椎茸嫌いの人が一番ダメな部分が立っている。
しかし、グアニル酸って凄いなぁ~・・・。晩飯時迄ず~っと口の中が椎茸風味だった。。。
こういうことなら、むしろ椎茸で出汁を取ったスープをそのまま餡掛けにした方が良かったのでは?

蟹も身がゴロゴロ入っていたし、こんなに具だくさんで¥800というCPは凄いと思う。
熱々のナメコの味噌汁も美味しかったし、ここ最近では珍しい内容の「天津丼」であった。
だけど、やっぱり餡の風味と強い椎茸ワールドが、かなり好き嫌いに左右される残念な商品である。

しかし、自分史上初めて出会った「超具だくさん」の天津飯。それがこんな近所に在ったなんて!
今後も「天津道」を極めねばなるまい。
先ずは、地元の店の「天津丼」を全て攻めてみないとけないな。。。
そう心に誓うのである。