承前

 

私たちは、ほんらい意味を持たない生命=生きることに、意味を見出したいと思う、そう思うようにしつけられているのだと考えます。

 

生命は、あらわれ、そして朽ちて、次の生命に受け継がれます。 もしどうしても生きることに意味を見出したいなら、この生命の連鎖がかろうじてその答えになるかもしれないのですが、あまたある生命のうちで人間だけが朽ちて次の生命に受け継ぐことができていないのが残念なことではあります。 しかし、視点を遠く太陽系の外に移せば、生命の連鎖も太陽が寿命を終え地球が消滅してしまえば断ち切られことになり、意味もまた消滅してしまうのですが、さらに視点を銀河レベルに移せば、恒星の、あるいは銀河自体の生成と消滅もまた、さらに大いなる連鎖の一部なのかもしれない、ということに思い至ります。 ここに至って初めて、輪廻という言葉が実体化するような気がしてならないのです。

 

閑話休題。

 

つづく