以前、母が私にこんな話をしました。

父とけんかをしたとき、父が母に言ったそうです。

「かわいそうだから、離婚はせんといてやるわ。追い出されたらかわいそうだから、家においてやる」

こんなことを娘に話す母もつらかったのでしょうけど、そのことはいつまでもずっしりと私にのしかかっています。

父は、母も姉も私も、愛してないのだ。

そして母は、私を愛していない。

この思いが、私にこびりついています。

「お父さんは冷たい人間だ」と散々母に言われてきました。

だから私は旦那の愛が信じられないのです。

遠まわしに「おまえなんか、愛していない。おまえなんかいなくなればいい」と言われているように感じるのです。

私のことを「素直じゃない」と母も姉も言いますが、そこまで追いやったのは母なのです。

両親がお互いを労わりあい、お互いを大切に思っていると、こどもも自分が愛されていると確信できます。

が、両親がお互いに憎しみ合っていると、こどもは自分の存在を否定するのです。

母は「それをバネにして、がんばろうとする強さを持ってほしい」とかつて言いましたが、そんな強さなんて虚しいのです。

こんな経験はしたくありませんでした。

でももういいです。

誰からも愛されないという思い込みを、私は許します。私を愛さない両親や旦那も許します。

実はもう、消えてしまいたいくらい、今はつらいのですが、確定申告とか、炊事とか洗濯とかありますので、いることにします。

夜になって、誰もいなくなったら、お散歩したり、ひとりでゲームをしたり、気が向いたら仕事をします。